暑くて台所に立つのも嫌だった季節も終わり、そろそろ手作り料理が楽しい時期。
秋は料理してみようかという人が増えてきて、内食傾向が高まる季節なのだそう。


凝った料理に挑戦したいけど自信がない、なんて人。
まずは天ぷら粉を使ってみてはいかがだろうか。

天ぷらを作る際に買ってはみたが、余ってそのまま棚の中に。という場合も多い、それが天ぷら粉。
しかしこの天ぷら粉を使って、ケーキやお菓子、さらに、うどんやパスタまで作れるというのだ。

どんな味になるのか、天ぷら粉を販売している昭和産業さんに伺ってみると……。

「スポンジケーキなどを天ぷら粉で作ると、薄力粉で作るよりよく膨らんで、ふんわり軽いケーキに仕上がります。生パスタは、さらにモチモチとした食感が楽しめ、うどんの場合は、なめらかで透明感のある仕上がりになります」

しかしなぜ、天ぷら粉で美味しいケーキが作れるのだろう。
通常、お菓子作りには薄力粉を使用する。これは、強力粉に比べるとたんぱく質が少なく、グルテン(粘り成分)ができにくいため。グルテンが少ない粉でケーキを作ると、ふんわり軽い口当りに仕上がるのだ。
では天ぷら粉は?
「小麦粉(薄力粉)のほか、カラッとしてサクッとした揚げ上がりにするため、でんぷんやベーキングパウダーが配合されています。
このため、天ぷら粉中のたんぱく質は薄力粉より少なくなり、グルテンの力も弱くなります」
さらにベーキングパウダーの力(炭酸ガス)も加わることで、薄力粉で作るよりもケーキがよく膨らみ軽く仕上がる。

天ぷら粉がなくても、小麦粉と卵、水があれば天ぷらを揚げることはできる。
しかし上手に揚げるためには小麦粉をふるったり、氷水を用意したり……と、面倒だ。
そのストレスを減らすために生まれたのが、天ぷら粉。

昭和産業さんは、「誰でも簡単にカラッとした衣の天ぷらが作れるように、1961年に日本国内ではじめて“天ぷら粉”を発売しました」と、まさに生みの母だった。
そんな伝統ある粉を目的外に使うなんて……と心配になってしまうが。

「実は、発売当初より天ぷらのほか、お好み焼きなども作れる“万能粉”として商品化いたしました」とのことで、天ぷらと銘打ってはいるものの、実は何でも使える存在なのだった。

天ぷら粉を使って作れるものは、うどんに生パスタ。そしてケーキ
特にケーキは薄力粉なら“グルテンがでないよう、さっくり切るように混ぜる”など面倒な行程がある。が、グルテンの少ない天ぷら粉なら、遠慮無く混ぜてしまっても大丈夫。

天ぷら作りのために出番を待っている天ぷら粉がもしあれば、これを機にちょっとお料理してみませんか。

(のなかなおみ)