だが、「トラウマになってるのか?」と思うのは早合点。離婚経験は、あの人にとって手放せない持ちネタになっているだけだもの。何しろ『クイズミリオネア』や『27時間テレビ』で共演するわ、大竹しのぶがパーソナリティを務めるラジオのゲストに出演してみせるわ。ここまで来ると、トラウマどころか“同志”にしか思えないんですけど。
でも、こういう関係性って素晴らしいと思うのです。
実は、そんな魅力的な2人の関係性を丁寧に紹介してくれるラジオ番組が始まります。KBS京都(京都1143kHz)にて10月28日よりスタートするのは、その名も『離婚さん、いらっしゃい。』。
どこかで聞いたことのある響きだが、断じて番組内で「オヨヨ!」なるフレーズは出てこない。内容としては、毎回“円満離婚”した元夫婦をゲストにお招きし、“円満離婚”の秘訣や驚きのエピソードを語ってもらう……という10分間番組らしいです。
これ、興味深くないですか? ぶっちゃけ、どうしてそんな関係性を構築できるのかまるで分からないもの。俺なんか、二度と会えない(会いたくない)元カノが何人いるか……。
そんな私が、このラジオ番組の収録にお邪魔させていただきました! 場所は、都内某所。パーソナリティは、コネタで幾度にも渡って取材してきた「離婚式」のプランナー・寺井広樹氏であります。その割に同番組のスポンサーは、「結婚」を題材に扱った台湾ドラマ『結婚って、幸せですか』を配給する「リッツプロダクション」らしいのですが。パーソナリティとスポンサーの相性、良いのか悪いのか……。
ちなみに、今日は栄えある第1回目の収録。この回に登場する元夫婦は、アーティストプロデューサーであるhirokoさん(46歳)と、元夫のユウジさん(会社員・39歳)。
実はhirokoさんは寺井氏と共にパーソナリティを務めている同番組のレギュラーであり、バツ3という経歴を持つ方でもある。ユウジさんは、hirokoさんにとって3番目の夫だそう。
「そもそも、何で離婚されたんですか?」(寺井氏)
「大きい理由としては、彼が働かなくなってしまったんです」(hirokoさん)
毎日、仕事によって物凄く消耗された状態で帰宅するユウジさん。そこで「もう、辞めちゃえば?」とhirokoさんが提案。
「それを真に受けて、仕事を辞められたと?」(寺井氏)
「そうなんですよ!」(ユウジさん)
「なんか自分で辞めさせて『働かないから』が離婚の原因になるって、ヒドいね(笑)」(hirokoさん)
いや、男女の別離って概してこんな感じなのかもしれない。
ところで、最も気になることがある。“円満離婚”の秘訣って、何ですか?
「どっちかが未練のある間は、会えないですよね。お互いを“人”として見れるようになったら会えるけど、未練があると面倒じゃないですか。そういう時期は会えない」(hirokoさん)
離婚したばかりの頃は「復縁したい!」という思いがユウジさんの方にあったようだが、半年~1年の時を経てお互いが自立した関係に戻ることができた。今では2人とも「離婚してよかった!」と思えるようになれたという。
そんな2人の今の関係性、一体何と表現したら良いのだろう?
「『友情』よりは、ちょっと深いかなぁ? 『同志』ほど深くないよねぇ。『家族』みたいな感じ?」(hiroko)
「大まかな『家族』ですよね」(ユウジ)
これ、素敵じゃないですか? 依存し合っているわけでもなく、それでいて信頼関係は生きている。極めて健康的な間柄だと思うのだ。
そんなこんなで、あまりにも濃密な今回の収録はこれにて終了。人生には離婚に限らず“別れ”や“終わり”がやって来るが、そんな時にどう円満に終わらせどう次に繋げていけるか、2人のトークから学ぶことができました。
ちなみに『離婚さん、いらっしゃい。
「『新婚さん、いらっしゃい!』に過去に出演した夫婦が今後、『離婚さん、いらっしゃい。』に出演される可能性もゼロではないですよね」(寺井氏)
あり得る。“円満離婚”をしたならば、それはそれで素敵なことじゃないですか。
最後に、告知をば。『離婚さん、いらっしゃい。』は全3回(最終日は12月30日)の放送が予定されているが、新たにスポンサーを獲得すれば番組の存続は可能だそう。
「物好きな企業さんを、本当に求めております!」(同番組プロデューサー・伊藤健氏)
結婚や恋愛に限らず訪れる“別れ”を建設的なものにする秘訣、この番組ではしっかりと教えてくれます。
ファンとしては、存続していただきたいなぁ……!
(寺西ジャジューカ)