キュートな中にも毒をきかせた作品世界や、猫&キノコなど独特なモチーフの組み合わせが印象的な画家・ヒグチユウコさん。以前にコネタ(「カワイイ×毒=ファンタジー!? ヒグチユウコの世界が一冊の本に」)で作品集を紹介したが、その後にラフォーレ原宿に設けられたリミテッドショップも連日長蛇の列が続くなど、大いに話題を呼んだ。


そんな彼女の世界観がたっぷり楽しめる個展が開催。ヒグチさんの初の絵本『ふたりのねこ』の発売(3月25日)を記念して、絵本に収録された原画などが展示されるほか、登場キャラクターをイメージしたヒグチさん×他アーティストによるコラボ作品もギャラリーに並ぶ。

今年唯一の個展ということで、どんな内容になるのか楽しみにしているファンも多いと思われるこの個展だが、ヒグチさんによると「新しく出版する絵本のお披露目がメインです。絵本に出てくるキャラクターの猫のイメージを、大好きな作家さんにコラボしていただきます。また絵本のモチーフ以外の私個人の作品も展示します。今回は9割がた猫を描いたものになります」とのこと。


絵本『ふたりのねこ』は、"ねこのぬいぐるみ・ニャンコと、公園に住む野良猫のおんなのこ・ねこの出逢いと別れが描かれた、切なく温かなファンタジー"ということなのだが、どんな思いを込めて描かれた作品なのだろうか?
「主人公は猫のぬいぐるみなのですが、モデルは息子の可愛がっている実在するぬいぐるみです。息子のためにと描いたのですが、今思うと……ぬいぐるみを心から可愛がる息子の姿が、もう少ししたら年齢的にも卒業して見れなくなってしまうことへの恐れ……から来ているんだろうと思いました。自分は幼少時にここまで思い入れのあるモノってなかったので、はたから見ていても、そのぬいぐるみが特別に見えてしまいますね」(ヒグチさん)

このニャンコは過去のヒグチさんの作品や、彼女のTwitter(@nekonoboris)に不定期でアップされている"ヒグチユウコ絵日記"の常連キャラクターとしても登場。ものを言わないぬいぐるみでありながらかなりの存在感を放ってきたニャンコの、知られざるストーリーが絵本とこの個展で明かされる……はず!

会場では『ふたりのねこ』の絵本やポストカードのほか、ヒグチさんの作品の複製画やTシャツ、人気のホルベイン画材のコラボ商品(クロッキーブックなどのステーショナリー)などのグッズが販売されるそうでそちらも楽しみなのだが、目玉となるのがヒグチさんと親交の深いアーティストたちとのコラボアイテム。

Fuca(フカ)さんとのコラボキーホルダー&ぬいぐるみや、Ima nunc さんによる『ふたりのねこ』のキャラクターをモチーフにしたフェルトオブジェ、capi さんとのコラボで陶器の猫リング (絵付けをヒグチさんが担当)といったグッズのほか、絵本の世界をイメージしたmilky pop.さんのキュートなアイシングクッキーなども販売。また、妖怪絵師として知られる石黒亜矢子さんによる『ふたりのねこ』をイメージした作品も展示される。


会場はフランスの若手作家の作品や雑貨などが並ぶギャラリーで、表参道ヒルズにもほど近いロケーション。
「会期も2週間あるので、買い物ついでに是非お立ち寄りください」(ヒグチさん)とのことなので、春の陽気を愛でつつ、ヒグチさんの個性が炸裂する作品やグッズをゆっくり楽しんでみては?
(古知屋ジュン)

【ヒグチユウコ『ふたりのねこ』展】
会場:ギャラリー・ドゥー・ディマンシュ 青山店
日時:3/25(火)〜4/6(日)12:00〜19:30
定休日:月曜
問合せ:E-MAIL/oreder2@paumes.com 電話/03-3408-5120 (050-1147-5121)
※初日は混雑が予想されるため、11:00~1人1枚整理券を配布し番号順に入場
※また初日は電話がつながりにくい可能性があるため、問合せはメールをおすすめします