しかし、こういう発想もできないだろうか? 「寒い時期だからこそ、北の方へ行きたい」。
というのも、北の海に魅せられた“先輩”がいるんです。インドの五つ星ホテル・タージコロマンデル出身、アラブ首長国連邦ドバイにてインド料理シェフのトレーナーとして活躍したマクスード・アラムさんは現在、北海道・北見に本店を持つインド料理レストラン「クリシュナ」の料理長を務めているそう。
なんと彼、オホーツク海の青さと、海面に浮かぶ白い流氷の景色に魅了されてカレーを作りました。店舗では7年前からその名も『流氷カレー』を、昨年からはレトルトカレー『クリシュナオホーツク流氷カリー』(税抜2,200円/3個セット)の発売をスタートさせています。

では、『クリシュナオホーツク流氷カリー』の画像をご覧ください。……流氷だ! 真っ青なオホーツク海に、白い流氷が浮かんでる!!
いろいろ聞きたいことがあるのだが、まずはこのようなカレーを開発した経緯について、『クリシュナオホーツク流氷カリー』を販売する「キタ★マルシェ」さんに話を伺いました。
「アラムさんがこの流氷カレーを作るきっかけは8年前、店のオーナーから『7色のカレーを作らないか』と提案を受けたのが始まりです。7色のうち、赤・黄・紫は比較的簡単にできたものの、青だけはなかなかできずに悩んでいたところ、頭に浮かんだのが、来日1年目に北海道・網走から砕氷船に乗って見た流氷でした。流氷は群青の海に白く輝き、非常に美しかったそう。
これが評判を呼び、店舗独自でも冷凍品としても販売を開始。その後、2014年に札幌の食品会社「ベル食品」がレトルトの『クリシュナオホーツク流氷カリー』を商品化したようです。
ところで、この青は何なの!? そして、この白い流氷の正体は……?
「レストランの『流氷カレー』ではインドに生息する植物から抽出された天然の色素を使用し、青い色を表現しています。それが何かは企業秘密だそうです……。またレトルトバージョンのものも、植物の天然色素を使用しています。こちらも企業秘密だそうです。また、流氷を表現した白いものは、ホワイトカレーをまとったチキンです(レトルトには青いカレーと白いカレーの2種類が入っている)」(担当者)
しかして、その味は? どうも、クールミントなテイストを想像してしまうのですが……。
「レストランで提供される『流氷カレー』は、インドのスパイスが一つ一つ独立して感じられる本格的な味。レトルトの『クリシュナオホーツク流氷カリー』も、しっかりしたスパイスの味が感じられる本格カレーに仕上がりました」(担当者)
色はブルーだけども、味は本格的なインドカレーです。
「見た目からは想像できないちゃんとしたカレー」、「食べてみる価値はある」といった反響が寄せられている『クリシュナオホーツク流氷カリー』は、発売半年後で出荷数1万食を軽く超えたとのこと。

以前、「青は食欲減退色」という記事を書いたことがあるが、このカレーは例外。本格的なスパイスの香りを嗅いだだけで、やられてしまうでしょう。
(寺西ジャジューカ)