うま味を足す魔法の調味料「ウマミタス」 スプレータイプのふりかける"だし"
「ウマミタス(ハーブ)」(540円税込/50ml)。"美味しさをドレスする"というキャッチコピーもそそる

先日、近所のスーパーで「ウマミタス」なる調味料を発見した。「うま味を足す」という、なんともストレートなネーミング! 昆布だしのうま味に塩を加え、液体として気軽に使えるようにした新感覚の調味料だ。
容器はここ数年人気が高いスプレータイプで、まるで化粧水のようにオシャレだ。

気になる味だが、適度な塩味に昆布由来のうま味がたっぷり。コショウやパセリといったスパイスやハーブがアクセントになり、味に奥行や深みが感じられる。これはハマる味!

老舗の昆布屋が開発


「ウマミタス」を発売しているのは、明治45年創業の老舗昆布屋「松前屋」。2009年から販売されている同社の人気商品「昆布の水塩」の携帯用バージョンとして、2013年に発売されたのだ。50mlというコンパクトなサイズなので持ち歩きもしやすく、アウトドアなどでも重宝しそう。

ちなみに「水塩」とは、海水を煮詰めてつくる液体タイプの塩のことで、醤油が生まれる前、1400年代以前から使われてきたともいわれる昔ながらの調味料のこと。
京都の老舗料亭「菊乃井」の主人である村田吉弘氏が調理の味を決めるのに使っているという話もあり、「そんな調味料に昆布のうま味が入っていれば、さぞや美味かろう」という昆布屋ならではの思いが商品開発のきっかけになったそうだ。

「元来そのままでは腐敗してしまう"だし"を使った商品のため、安全性を確保するとともに、"だし"成分による濁りを抑えるための技術や設備を整えることに苦労しました」(担当者)

何にでも使える調味料


「ウマミタス」の味は2種類ある。今回試した「ハーブ」は、北海道産真昆布のうま味をベースに、ハーブや香辛料の香りを合わせたもの。もう1種の「プレミアム」は、北海道産真昆布に鰹節、椎茸、帆立のうま味が入ったものだ。商品開発にはフレンチの中村新シェフもたずさわり、和食はもちろん、フレンチやイタリアンなど西洋料理にも使える味わいに仕上げという。

うま味を足す魔法の調味料「ウマミタス」 スプレータイプのふりかける"だし"
(左)「ウマミタス(ハーブ)」(540円税込/50ml) (右)2種類を並べてもオシャレ


「"ハーブ"はサラダや果物にもよく合います。
"プレミアム"はお醤油がわりにお寿司に使うのもおすすめ。食材としては、野菜・魚・甲殻類と好相性です。肉なら赤身の牛肉よりも、鶏肉や豚肉のやや白い肉の方がよく合いますね」(担当者)


いずれも塩や醤油感覚で使え、料理のどのタイミングで使ってもOK。色がつかないので、料理のじゃまにもならない。

うま味を足す魔法の調味料「ウマミタス」 スプレータイプのふりかける"だし"
サラダにかけてみたが、一見してもわからない。だけど食べてみると、口の中にうま味が広がる


使い方はいろいろ。野菜の下味付け、炒め物の味付け、スープや汁物のだしに、ドレッシングの隠し味に……とお好み次第。
うま味分が強いので減塩効果も期待でき、スプレータイプなので均一に旨みや塩分がふりかけられるのもメリット。
「塩分を気にされているお客様からはプッシュ回数で塩分が分かるため、塩分コントロールに役立つと大変喜んでいただいております」(担当者)

昆布だしからとれるうま味は、いまや甘味、酸味、塩味、苦味に次ぐ第5の味覚として、世界中のシェフから注目されている。だが、海外では良質の昆布の入手が難しかったり、硬い水ではだしがとりにくかったりすることもあるようだ。スプレータイプなら、だれでもどこでも簡単に使えるから、外国人へのギフトなどにも喜ばれそう。

もうひと味ほしい、というときにあると便利。料理の腕があがったような気分にもなれる1本だ。

(古屋江美子)