ココリコ・田中直樹は、「妄想力」の人である。
「ココリコ」として出演する際には、小雪にも似た顔ヂカラ(もちろん小雪は美人女優ですけども!)のイメージが強い田中だが、田中直樹自身は、まったく異質な怪人だ。
それを改めて強く感じさせたのが、10月13日深夜1時5分からのフジテレビ単発番組『ミュージック×ドラマスペシャルMの司会者』である。
偶然、テレビをつけると、映っていたのは山田優。田中が音楽番組のMCを務めているのだが、「売れない芸人で喋りの苦手な小机進」という設定らしい。
架空のMCと、架空の音楽番組でありながら、リアル山田優のリアルトーク(もちろん台本はあるだろうけど)。
他に、KREVA、松たか子も登場し、それぞれリアルトークをし、曲を披露してくれているのだが、メインはあくまでも、MCの小机。それも、彼が会話中のたった一言から勝手に思い描く、ゲスト置いてけぼりの「妄想の世界」なのである。
小机は、トークにからもうと、頑張れば頑張るほど、頭の中は脱線しまくり、妄想しまくる。
コントでもなく、ドラマでもなく、もちろん普通の音楽番組でもない、なんだかワケのわからない実験的番組だ。
コレを見ながら、そっくりだと思ったのは、彼が一人・3カ月ごとに黙々と出し続けているDVD『ペルソネル活動』シリーズである。
たとえば、世の中のすべてのことが、突き詰めていくと阿藤快に通じるという「阿藤快 想像名人」。私だって、アナタだって、結局のところ、阿藤快に通じてしまうわけだから、面白いやら恐ろしいやら。
また、「持ち物は持ち主に似る」は、「ペットが飼い主に似るように、持ち物も持ち主に似るのではないか」という出鱈目な理屈から、田中の自宅に潜入。
つまり、田中似だという、限りない妄想力を真剣に展開する。まるで川口浩探検隊のような楽しさもある。
また、『ミュージック×ドラマスペシャル』に最も似た手法なのが、リアル舞の海をゲストに迎える架空番組「思いっきりトキメイテ」。
司会者(田中)は何度も何度も何食わぬ顔で同じちゃんこ屋に連れて行き、何度もおかしな質問をするのだが、それに対し、舞の海は終始笑顔を絶やさず、呆れもせず、超真面目に対応してくれるのだ。
なんていい人なんだ、舞の海!!
他に、『世にも奇妙な物語』を思わせる不条理劇の数々もあり、妄想の幅の広さは限りない。
ちなみに、不条理感は、ダウンタウン松本の笑いにも類似したテイストがあるが、松本の笑いには、伝説的名コント「ミラクルエース」をはじめ、哀愁、幼児性、愛らしさが溢れているのに対し、田中の視線は冷たく、俯瞰で、客観的に思う。
「ココリコ田中」しか知らない人は、ぜひこの妄想人・田中直樹の世界を味わってみては?
(田幸和歌子)
「ココリコ」として出演する際には、小雪にも似た顔ヂカラ(もちろん小雪は美人女優ですけども!)のイメージが強い田中だが、田中直樹自身は、まったく異質な怪人だ。
それを改めて強く感じさせたのが、10月13日深夜1時5分からのフジテレビ単発番組『ミュージック×ドラマスペシャルMの司会者』である。
偶然、テレビをつけると、映っていたのは山田優。田中が音楽番組のMCを務めているのだが、「売れない芸人で喋りの苦手な小机進」という設定らしい。
架空のMCと、架空の音楽番組でありながら、リアル山田優のリアルトーク(もちろん台本はあるだろうけど)。
他に、KREVA、松たか子も登場し、それぞれリアルトークをし、曲を披露してくれているのだが、メインはあくまでも、MCの小机。それも、彼が会話中のたった一言から勝手に思い描く、ゲスト置いてけぼりの「妄想の世界」なのである。
小机は、トークにからもうと、頑張れば頑張るほど、頭の中は脱線しまくり、妄想しまくる。
コントでもなく、ドラマでもなく、もちろん普通の音楽番組でもない、なんだかワケのわからない実験的番組だ。
コレを見ながら、そっくりだと思ったのは、彼が一人・3カ月ごとに黙々と出し続けているDVD『ペルソネル活動』シリーズである。
たとえば、世の中のすべてのことが、突き詰めていくと阿藤快に通じるという「阿藤快 想像名人」。私だって、アナタだって、結局のところ、阿藤快に通じてしまうわけだから、面白いやら恐ろしいやら。
また、「持ち物は持ち主に似る」は、「ペットが飼い主に似るように、持ち物も持ち主に似るのではないか」という出鱈目な理屈から、田中の自宅に潜入。
鍋つかみも、トイレの便座も、あらゆるものがよく見てみると、「しゃくれてる!」
つまり、田中似だという、限りない妄想力を真剣に展開する。まるで川口浩探検隊のような楽しさもある。
また、『ミュージック×ドラマスペシャル』に最も似た手法なのが、リアル舞の海をゲストに迎える架空番組「思いっきりトキメイテ」。
司会者(田中)は何度も何度も何食わぬ顔で同じちゃんこ屋に連れて行き、何度もおかしな質問をするのだが、それに対し、舞の海は終始笑顔を絶やさず、呆れもせず、超真面目に対応してくれるのだ。
なんていい人なんだ、舞の海!!
他に、『世にも奇妙な物語』を思わせる不条理劇の数々もあり、妄想の幅の広さは限りない。
ちなみに、不条理感は、ダウンタウン松本の笑いにも類似したテイストがあるが、松本の笑いには、伝説的名コント「ミラクルエース」をはじめ、哀愁、幼児性、愛らしさが溢れているのに対し、田中の視線は冷たく、俯瞰で、客観的に思う。
「ココリコ田中」しか知らない人は、ぜひこの妄想人・田中直樹の世界を味わってみては?
(田幸和歌子)