そんな中村さんの著書『「誰かのため」が「自分のため」につながる−−“日本一の秘書"が教える気配り仕事術』は、秘書として長年仕事をしている中で培ってきた「気配り」の心得を綴ったもの。
「中村さんは、中堅企業だった時代から、東証一部上場までを果たした会社の元で、3代に渡って社長秘書を務めてきました。日本秘書協会が選出するベスト・セクレタリー賞の受賞経歴がある“日本一の秘書”です。『仕事をするということは、「人の役に立つ」ということ』、『相手のために、人のために、自分にできることを探す』、という姿勢で仕事に取り組んできた中村さんの、秘書実務のノウハウではなく、ビジネス全般、働く人すべてに応用できる『気配り術』を公開しています」と版元のあさ出版のPR担当・井手さん。
中村さんは、現在は宗次夫妻の事務所に移籍。秘書業務のほか、セミナーや講演会、後進の育成に力を入れている。
中村さんが壱番屋に勤めはじめたきっかけが、「2人の小さな子どもを抱え、とにかく仕事が必要だった私は、新聞の求人広告を見て『本社が自宅に近い』という理由で飛びついたのです」と本書。前職はコンサルタント会社の秘書業務を行っていた経歴があったが、中村さんはパート社員で入社。秘書とは関係ない仕事からスタートする。
パート時代の主な仕事は伝票整理。
秘書の業務では、「上司のためにできることは何だろう」「上司が仕事をしやすいように、自分に何ができるだろう」「上司のお客様のために、今何をすべきだろう」を考え、そこから行動に移していったという中村さん。
本書で紹介している「気配り仕事術」で、印象的だったものをピックアップすると、「相手のために根回しをしっかりやる」「『断る』ときこそ誠意を尽くす」「相手に喜ばれて初めて、その行動は『おせっかい』ではなく『気配り』になる」「『意見を聞いてくれない』と思い悩む前に、相手の望むことを観察する」「失敗の報告には必ず『挽回策』を添える」「気が合わない人を『お客様』だと思って接する」など。
すべては上司や先輩、同僚のせいではなく「自分に責任がある」ところから問題を受け止め、「相手のために」考えて行動することが、タイトルで言う「『自分のため』につながっていく」というのが本書のメッセージの核となっている。
本書の表紙やオビにはココイチのロゴも取り入れられている『「誰かのため」が「自分のため」につながる−−“日本一の秘書"が教える気配り仕事術』。秘書の人、秘書を目指している人ならずとも「気配り」の参考としてほしい。
(dskiwt)
※創業者・宗次徳二(とくじ)氏の「とく」の正式な漢字は心の上に一本横棒が入ります。環境によっては正しく表示されないため、「徳」で表記しています