以前、「今、パリで日本の“bento”がブーム!?」の記事を書いたときに「フランス人は味のしない白いごはんが食べられない人が多いので、皆さんおしょうゆをかけて食べています」と聞いて「へえ~」と思ったことがあったが、そこに目を付けたパリのオペラ座近くにある日本食材店「京子 KIOKO」が「飯だれ(Meshidare)」なる調味料を開発していた。

ラベルには大きく「飯だれ」と書いてあり、画像では見えにくいが白いごはんの上にトロ~リおしょうゆのような褐色の液体をかけている写真があしらわれている。
いったい、どのような味がするのか……。

「京子 KIOKO」の責任者・藤本浩次郎さんにお話をうかがってみたところ、2007年頃に発売された商品なのだとか。お店に来店するのは在仏の日本人も多いけれど、「飯だれ」を購入するのは圧倒的にフランス人が多いという。

「パリにある焼き鳥屋さんで見ていますと、フランス人はテーブルに用意されている焼き鳥のたれを白いごはんにかけて喜んで食べていますので、それを見て商品化にいたりました。原材料は醤油、砂糖、みりんだけです」

とのことで、なるほど甘辛しょうゆ味なんですねえ。私も焼き鳥丼は好物だが、白ごはんに「たれだけ」とは、斬新な味覚センスである。
ちなみに、値段は5.65ユーロだそうで、日本円に換算すると約630円くらい。国内にいる感覚だとたれに600円以上出すのは高いような気もするが、月に100~150個は動く人気商品なのだとか。

なお、日本貿易振興機構(JETRO)のパリ事務所からは「これは日本食ではない」というお叱りの声もあったとのことで、確かにおもしろい商品ではあるものの、厳密な意味での日本食とは違うのかもしれませんね!?

ちなみに、「飯だれ」の右横にちらりと写っている寿司しょうゆもKIOKOオリジナルのもの。ガリ好きのフランス人には生姜入りの醤油だろう!ということで売り出したものの、こちらは残念ながらコケたそうだ。

他にKIOKOブランドのお茶や豆腐、オーガニック野菜などもあるそうで、オリジナル商品にかなり力を入れている様子。現在、なんとKIOKOオリジナルのコンニャクも開発中だそうでびっくり。
もし、パリを訪れる機会があれば、この「飯だれ」とかKIOKOブランドのお茶なんかを、逆輸入的におみやげにしてみるのもおもしろいかもしれませんね!?
(野崎 泉)