世の中には、様々な「協会」があるもんだ。今話題の「日本ふんどし協会」を始め、コネタでもいくつかの機関を紹介してきた。
「日本ツインテール協会」だったり「鬼ごっこ協会」だったり。

いやはや、スゴいな……と思いきや、今度はこんな団体を発見! 皆さん、ご存知ですか? 昨年、「日本コロッケ協会」が起ち上がったことを。
「任意団体としての発足は2012年の冬です。そこからコロッケ好きが自分たちの本気度を見せるため、2012年9月6日に一般社団法人化してみました」(同協会・担当者)

もう、名称からしてインパクト大。でも、それだけじゃジリ貧だ。果たして、この協会の存在意義は!?
「2012年冬にとある打ち合せをしていて、その合間にふとコロッケの話題が出たんです。
コロッケの話が広がるにつれ、せっかくだから食べて一息入れようという話になったのですが、買い出しにいった数人が皆“コロッケ難民”になってしまうなど、現在コロッケが置かれている立場を身をもって知ることとなりました」(担当者)
そこで、有志が立ち上がった。コロッケが食卓に並ぶと目が輝いた時代を思い出し、「もう一度、コロッケに食卓上の政権を奪取させよう!」と、心に決めたのだ。
「また、現在の日本経済の低迷にどうにかして貢献したいと思い、コロッケを中心とした揚げ物界全体の発展により、日本経済を活性化させる『アゲノミクス』を提唱し、日々、コロッケを食べています」(担当者)
なるほど。思いとお腹を同時に満たす、彼ら流の草の根運動である。

そんな同協会のホームページを見ていると、役員メンバーの中に興味深い名前を発見。専務理事の欄に「八木宏一郎」と書いてある。
あれ、この人って確か……。
「コロッケ協会設立に際し、揚げ物界の先駆者である『日本唐揚協会』にケンカを売りに行ったところ、“唐揚先輩”に『お前たちの敵は唐揚ではなく、同じパン粉を使っているトンカツだろ!』と言われ、手を組むに至りました(笑)」(担当者)
っていうか、ケンカ売りに行くなよ! まぁ、いい。そうです。日本唐揚協会の専務理事である八木氏が、日本コロッケ協会の専務理事も兼任しているのです。
「起ち上げメンバーである理事は、全員“コロッケ好き”という共通項で集っています」(担当者)
“唐揚先輩”も、そのコンセプトに共鳴したようだ。

ところで気になるのは、その活動内容じゃないですか? どうやら、大きく3つの柱に分けられるらしいのです。

・多くのコロッケを食べ比べることでコロッケの最近のトレンドや評価軸を考察する「コロッケ味利きトライアル」の開催(動画あり)
・一般の投票で“おいしいコロッケ日本一”を決める「コロッケグランプリ」の開催
・全国のおいしいコロッケを一堂に集めた「コロッケフェア」開催

「コロッケ味利きトライアル」に関しては、第1回(約80種類1000個を試食)が昨年10月、第2回(37種類350個を試食)は今年の2月1日に開催されている。そしてその成果が、同協会ホームページ内に掲載されている「コロッケ味利きマップ」だ。
これは、いわゆるコロッケの評価軸。味・衣・色・具の大きさ・香り・食感などを評価ポイントに置き、座標内のふさわしい場所に様々なコロッケの評価を定めた。それも“冷凍”、“スーパー”、“専門店”ときっちりカテゴライズ分けした形で。こりゃ、参考になるな……。


その他の活動としては、“コロッケニスト”の拡大も挙げられるだろうか。
「当協会では、コロッケを好きな人を総称して“コロッケニスト”と呼んでおり、その中でもコロッケ検定で一定以上の得点を取った人を“認定コロッケニスト”と呼んでいます」(担当者)
あまりにも唐突で、面食らった人もいるでしょうか。まず、“コロッケニスト”については納得してください。問題は、その次に現れる「コロッケ検定」なるワード。同協会ホームページではコロッケにまつわる3択形式の検定試験が13問に渡り出題されており、これがいわゆる「コロッケ検定」のよう。そして、その成績優秀者が“認定コロッケニスト”を名乗っていいのだ。

さらに同協会が製作する名刺を購入し、「“コロッケ好き”である」と名実共に公言している人を、同協会では「コロッケ革命家」と呼んでいる。
「コロッケ革命家とは、コロッケの価値そのものを高める道を選んだ勇者だ」(「日本コロッケ協会」ホームページより)

近々の展開としては、一般投票で“おいしいコロッケ日本一”を決める「コロッケグランプリ」が挙げられる。ノミネート及び投票期間は、5月6日~9月6日を予定。

しかし、コロッケがそんな状況に陥っていたとは知らなんだ。しかし、ちょっと突っつけばスグに人気が爆発する気がしないでもない。そういえば、今発売中の『テレビブロス』(2013年2月16日号)の表紙もコロッケだった。
モノマネ芸人の。
(寺西ジャジューカ)

関連リンク/取材協力
「日本コロッケ協会ホームページ