25日付中国新聞社電によると、新疆ウイグル自治区北部のアルタイ地区にあるブルジン県で同日、モンゴル族に伝わるマイダルの祭りが行われた。

 マイダルは弥勒菩薩を祭る行事。
同地にチベット系仏教が伝わったのは約900年前で、新疆ウイグル自治区に住むモンゴル族の人々は旧暦の1月15日に、盛大にマイダルの祭りを祝う。

 人々はマイダルの日、寺院を訪れ祈りを捧げ、幸福を願う。

 写真は、子どもなどを招待したパーティー会場で披露された民族舞踊。

**********

◆解説◆
 新疆ウイグル自治区には、モンゴル族の居住地が点在する。一部は清朝期などに政治的・軍事的理由で東部から移住した人々の子孫だが、多くはオイラト(オイロト、オイラート)などと呼ばれる西部の部族。

 モンゴル国や内モンゴルに住むモンゴル人とオイロト部族では、方言差が大きい。
モンゴル国ではロシア文字、内モンゴルでは伝統的なモンゴル文字を使ってモンゴル語を書き表すが、オイロト部族には自らの方言を正確に書くことができる「トド文字」が伝わっている。

 モンゴルの伝統芸能として有名な、1人で同時に2つの声を出すホーミーも、内モンゴルにはなかったが新疆のアルタイ地区には伝わっていた。モンゴル国では西部のコブト地方で伝承されていた。アルタイ地区におけるホーミーの呼称は「ホーロイン・チョール(のどのチョール)」。(編集担当:如月隼人)

【関連記事・情報】
厳寒のシルクロードで馬術を競う遊牧民…新疆のモンゴル・カザフ族(2010/01/06)
農民運動会、モンゴル族の「男の遊び」も競技種目に(2008/10/31)
韓国ゲームにチンギス・ハン、中国反発「わが国英雄だ!」(2009/05/07)
内モンゴル自治区主席にバートル氏…日本留学経験も(2009/01/13)
鮑喜順~世界一の「ノッポさん」は中国籍のモンゴル族(2008/08/20)