中国の大都市では渋滞が社会問題となっている。一部の都市では自動車ナンバーによる運転制限や自動車の購入規制も行われ、地下鉄などの公共交通機関の混雑も深刻化するといった悪循環が起きている。


 日本は自動車の保有台数が多いうえ、中国に比べて道幅が狭い場合が多いのだが、中国のような深刻な交通渋滞はあまり起きないと言える。中国メディアの今日頭条はこのほど、「東京はあまり渋滞しないのに、中国では渋滞がなぜここまで深刻なのか」と題して、日中の交通事情を比較・分析する記事を掲載した。

 中国で渋滞が目立ってひどいのは、「北上広」といわれる北京市、上海市、広州市の3都市だ。北京のPM2.5問題は自動車台数の増加も影響していると言われている。記事は、中国政府もナンバープレートの末尾の数字による交通規正などの対策を講じてはいるが、「少しの効果も出ていない」とため息交じりだ。

 この点、東京は世界的に見ても成功例と言えるのだという。
東京都は2188平方キロメートルの面積に1400万人弱の人が住んでいる。人口密度は非常に高く、自動車保有台数も多いのに、渋滞はそれほど深刻ではない。この理由について記事は、東京が「上手に土地利用していること」と大きな関係があると分析。東京には立体駐車場が多く、1台のスペースに複数の車を駐車できるほか、線路の高架下などのスペースも活用しており、まったく無駄を感じさせないと指摘。狭い土地を上手に活用する知恵と、行き届いた合理的な管理、また土地に合わせて小型車を選択する現実的な日本人を称賛した。

 一方の中国人は、利便性よりもSUVなど見た目が映える大きな自動車を好んで購入するほか、立体駐車場も多くはない。
また、周りの迷惑などを考えず自分のことしか考えないため、「隙間があればどこでも駐車」し、結果的に「4車線道路が2車線」になってしまうと、中国の現状を憂いた。

 さらに、記事は日中の地下鉄の路線図を並べ、その違いが一目瞭然であると指摘。東京の地下鉄は北京や広州よりも路線が多く、公共交通機関の利便性が高いことも渋滞が少ないことと関係があると分析した。また、公共交通機関を積極的に利用したり、健康のために自転車で出勤したりする日本人とは異なり、多くの中国人が「成功の証」として、メンツのために自動車に乗りたがることも渋滞を招いていると指摘している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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