手実力派女優として映画、ドラマ、ミュージカルと幅広いジャンルで活躍している高畑充希。そんな彼女が、4月より放送されるNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』で、亡きとと(父)に代わり、母や妹たちを支えるしっかりもののヒロイン・小橋常子を演じる。
人のために行動する“とと姉ちゃん”を「素直に尊敬します」と笑顔で語った高畑に、朝ドラ主演の実感や作品の見どころなどを聞いた。

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 2013年に放送された『ごちそうさん』以来、2度目の朝ドラ出演となる高畑。前作では、杏演じるヒロインの義妹・西門希子役に扮し、見事な歌声を披露し話題になったが、本作ではヒロインを演じる。「色々な人に『大変だよ』って脅されていたのですが、実際現場に入ると大変というよりは楽しさが勝っています」と充実した時間を過ごしていることを明かす。

 長丁場で注目度が高い朝ドラは、精神的・肉体的にタフでなくては務まらないと思われるが、小橋家の面々との現場はいつも賑やかで楽しく、濃密な時間だという。「8月まで撮影があるのですが、今から終わるのが寂しいぐらい」とチームワークの良さを強調していた。


 共演者からも多くの刺激を受けていると語った高畑。「みんなめちゃくちゃ面白いんです。母役の木村多江さんも、元々大好きな女優さんなのですが、品のある和風美人を想像していたんです。そうしたらすごくお茶目な方で…。大地真央さんもそうなんです。お正月休みで少し撮影が空いたのですが、再会日にはみんな色々なこと報告し合ったんです。
第2の家族になってきたな~って実感しました」。  ヒロインのプレッシャーを感じず、伸び伸びと撮影に挑んでいる高畑だが、リハーサルのスケジュール表には重圧を感じているようだ。「びっしり詰まっているんです。あれは見たくないですね(笑)。やっぱりヒロインって出番もセリフも多いので、台本を覚えるのも大変なんです。『ごちそうさん』の時は撮影が終わったらスタッフさんとご飯に行ったりすることも多かったのですが、今は行く時間がないんですよね」と寂しい心情を吐露する。


 そんな多忙な中でも、人と会う機会は減っていないという。「何かあると色々な人が『美味しいもの食べさせてあげるよ~』って連絡をくれるんです。気にかけてくれる人がいるんだって思えるとすごく嬉しい」と目を輝かせる。「休みの日に疲れているからって寝て過ごすより、人と会っている方が自分には良いんだなって思ったんです」と朝ドラでヒロインを演じることによって新たな発見があったことを語ってくれた。

 高畑演じる常子は、とと(父)として家族を支える頼もしい存在だ。「何か起こっても『どうにかなる』という能天気な考えは常子と似ていますね。
でも常子は人のために生きている。私はもっと自己中なので、その部分はとても尊敬しています」と共感できるキャラクターであることを明かすと「女子校出身というのもありますが、男の子よりも女の子にモテるんですよ」と共通点はあるようだ。

 また「登場人物がちょっと変」と作品の見どころを語った高畑。「特に男性が面白いんです。いい男が(西島秀俊演じる)とと以外出てこない(笑)。みんなキャラクターが強くて……そこが面白いと思います」と解説。
さらに「唯一の格好いいキャラの“とと”とは(亡くなっている設定のため)共演シーンが今のところ全くないんです。朝ドラで親子なのに共演がないなんてあるんですかね?」と逆に問うと、「悔しい限りです!(脚本家の)西田征史さんに(共演シーンを)お願いしようかな」と茶目っ気たっぷりに訴えかけていた。(取材・文:磯部正和)

 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』は総合テレビにて、4月4日より月曜から土曜あさ8時放送。