木村拓哉主演の医療ドラマ『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)が1月15日(日)よりスタートし、第1話から怒濤の展開を見せている。そんな中、善悪では割り切れない不思議な存在感で木村の幼なじみを演じている浅野忠信を単独取材。
初共演の木村に対して「僕とは全く違うタイプ」と驚嘆したその真意とは?さらに、『マイティー・ソー』『沈黙-サイレンス-』など、ハリウッドからも引く手あまたの生粋の映画俳優・浅野が、今、なぜ連続テレビドラマなのか?今の思いを熱く語った。

【関連】「浅野忠信」インタビューフォトギャラリー

 本ドラマは、愛、欲、友情、嫉妬、プライドが渦巻く病院で、木村演じる心臓血管と小児の外科が専門の医師・沖田一光(おきたかずあき)が、決して妥協することなく、一途に患者と向き合う姿をドラマチックに描く。浅野演じる壇上壮大(だんじょうまさお)は、幼なじみの沖田に嫉妬心を抱きながら、彼の元恋人・壇上深冬(みふゆ/竹内結子)と結婚し、病院の副院長の座を射止めた日本屈指の脳神経外科医だ。

 浅野によると、今回、初共演となった木村に、まず驚かされたのは、演技へのアプローチの仕方だと言う。「僕は、自分が演じるキャラクターの心情ばかりに集中してしまうところがあるんですが、木村さんは、医者としてベースにあるテクニックの面から役を組み立てていく。僕とは全く違うタイプ」と分析。
「例えば、今回のように外科医だったら、手術シーンを完璧にやるんですよね。僕も撮影現場を見学させていただきましたが、本物の医者が見ても違和感ないだろうなと。そのクオリティの高さは刺激になりましたね」と脱帽だ。

 ただ、「その反面、『ああ、やっぱり僕には無理だ』とあきらめもついた」と笑う浅野。「アクションなんかもそうですが、僕は専門家に甘えるタイプ。プロのスタントマンがやったほうが映画として迫力が出るなら任せてしまう」とキッパリ。
「役にのめり込むことも大事ですが、客観的な判断も大事。『俺はこうやりたい!』と主張しても、カメラで見ると美しくなかったりすることもあるので、そういう時はプロのカメラマンの力を借りる。他力本願なところもあるんですが…そういった意味で、オペをあそこまでやり切る木村さんは凄い」と称賛する。 また、映画の現場に染まっている浅野は、テレビのスタイルに実のところ最初は戸惑いを隠せなかったという。「監督が3人いて、演出も微妙に違うんですが、そうすると役も回ごとに少しずつ変わってくるんですね。最初はちょっと戸惑いましたが、だんだんそこが面白くなってきて。
これに疑問を持って監督とぶつかっていたら、つらい作業になると思うので、今は逆に楽しんでいます」とニッコリ。台本についても、「撮影と同時進行で上がってくるなんて映画では有り得ないこと。ただ、僕が今日の撮影で芽生えた感情をスタッフに伝えると、次の台本に生かされていたりするので、そういうところは面白いなと思いましたね」

 すでにテレビの撮影現場を楽しんでいる浅野だが、3年ぶりに連続ドラマにトライしてみようと思った経緯とは何だったのか。「技術の進歩によって映像をいつでもどこでも観られるようになり、映画とか、テレビとか、そういう垣根を取っ払うべき時代が来たと思っているんですね。撮影でモンゴルへ行ったときに、ネットカフェで小さなコンピュータに釘付けになって映画を観ていた子供たちがいたんですが、その光景がいつも心にあって」と述懐。「一番大切なのは、作品に込めた思いを『伝える』こと。
専門家の評価なんてどうでもいいんです。『おじちゃん、ドラマ観たよ!あのシーンで泣いちゃった』とか、今はそういう声が一番欲しい」と思いを訴えた。(取材・文・写真:坂田正樹)

 日曜劇場『A LIFE~愛しき人~』は、TBS系にて毎週日曜21時より放送中。