「ずきあかのちゃんねー」(赤ずきんちゃん)や、「しまうらのろーたー」(浦島太郎)といった、ギョーカイ用語で語られる紙芝居ネタでお馴染みの芸人・夙川アトム。昨年12月に行われた初単独ライブのチケットは即日完売。

その人気の高さが証明された。

 今回、DVD『第1回単独ライブ 'FANTASIA'』のリリースを控える彼を直撃。取材当日、「あ、よろしくお願いします......」と"腰の低いまじめな人"という空気をまとって我々の前に現れた彼だが、それは化けの皮か否か。夙川アトムの素顔に迫る!!

――いきなりで申し訳ないのですが、まじめそうですね。

夙川アトム(以下、夙川) まじめです。

――芸人っぽくないですよね。

夙川 芸人っぽく出来ないですね。

――でも、いわゆるよしもと的なノリが必要になる場合もありますよね。

夙川 ああ、ありますね......。この性格なので、トーク番組とかであんまりワーッって行けなくて。悩んでお酒をたくさん飲んだこともありますね......。

――(暗い話になってしまった!)えっと、そうだ! 明るい話をしましょう! 今、会いたい有名人っていますか?

夙川 多部未華子さんです! 今、すぐ浮かんじゃいました♪

――どこが好きなんですか?

夙川 あの純朴さが。

あと声もかわいくて。嫌なところが一つもないんですよね♪

――多部さんに会ったら、何を話したいですか?

夙川 多部ちゃんの学校のこととか、あと僕がちょっと微妙なことを言った時に、どんな反応をするのか見てみたいですね。

――妹にしたい感じですか?

夙川 いや、付き合いたいです(キッパリ)。こないだ、多部ちゃんがドリカムの曲をカバーしたシングルを出したんですけど、歌もすごい上手で。昔の原田知世さんみたいな、何の混じりっ気もない、まっすぐな歌い方なんです!

――多部さんの話をする夙川さんはイキイキしてますね。ところでお笑いをやる上で、原動力にしていることは何ですか?

夙川 「バイトしたくない」っていうのと、「人に怒られたくない」っていう感情ですね。

僕、ちゃんと働けないんで......。

――芸人としてちゃんと働いてるじゃないですか。

夙川 芸人はバイトに比べると「怒られる率」が低いので。「大人の人に怒られるかもしれない」って考えると、もう......。

――でも先日、「アメトーーク!」(テレビ朝日)の町工場芸人の回に出ていらっしゃいましたよね。工場で働くのは平気なんですか?

夙川 工場ではマスクもしてますし、人と話さなくていいじゃないですか。

接客業は怒られるかもしれないので、緊張して注文とか取れないですね。

――芸人さんこそ、毎日知らない人に会って話さなきゃいけない職業では?

夙川 あ、でも怒られないので、はい。

――そうですか(笑)。夙川さんは、シティボーイズに憧れてこの世界に入ったそうですが、やはりテレビよりもライブを重視してるんですか?

夙川 いえいえ、本当はテレビにもガンガン出たいんですけど。あの、その、うまく出来ないっていうだけで......。「そのままでいいよ」って言って出してくれるのが一番ありがいんですけど、なかなかそうもいかないので。

今、成長中です、はい。

――いよいよ5月19日には、初の単独ライブが収録されたDVD『第1回単独ライブ 'FANTASIA'』が発売されますね。一人コントの数々に、ギョーカイ人ネタとは全く違った夙川さんの魅力を感じました。

夙川 僕は、"なんか少しだけ変だ"っていう感じの笑いが好きなので、そこを楽しんでもらえたらと思います。このライブでは好きなことをやらせてもらったので、業界人ネタの先入観なく見てもらえたら嬉しいですね。

――最後にお願いがあるのですが、日刊サイゾーのキャッチコピー『マスコミの裏を読む! 体制の裏をかく!!』を、ギョーカイ用語に変換して頂けませんか?

――わっ! 今の誰ですか!?

夙川 僕が作った「ろーたーくん」というキャラです。

業界に憧れる小学生なんです。

ろーたーくん 7月21日にDVD『ちゃいちーのろーたくん』をばいはつするからジュルスケ帳にバミッといてね!

――(ちゃっかり宣伝しやがった!)
(取材・文=林タモツ)


●しゅくがわ・あとむ
1979年、兵庫県生まれ。シティボーイズに影響を受け、99年に3人組のコントグループ「昭和サーカス」として活動開始。ピン芸人として09年「R-1ぐらんぷり」決勝進出。現在、シティボーイズと同じASH&Dに所属。


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