7月の参院選まで3カ月を切り、与野党が著名人候補の擁立に動きだしたが、自民党は比例代表で“ツッパリキャラ”で知られる歌手の嶋大輔と、格闘技イベント・K-1で活躍した格闘家の佐竹雅昭の擁立を検討。日本維新の会は元日本テレビアナウンサーの小倉淳を東京選挙区で擁立する方向で最終調整に入ったことが、各メディアで報じられた。

 そんな中、25日に都内で会見を開いた嶋は、「自分は不器用で(芸能と政治の)2つを一緒にできない。決断とは決めて断つこと。32年間いた芸能界を断って、次の夢に向かって歩きだす」などと芸能界を引退し、政治家へ転身すると表明。政治家を志す動機については、いじめ問題に取り組む中で「政治家は法律を作れる、という結論にたどり着いた」と説明したものの、参院選については「誘いを受けている政党はなく、出馬は白紙」と明言せず。

 嶋と親交があり、自民党に紹介したと報じられている元女優の三原じゅん子参院議員は26日付の自身のブログで「私が誘っただのとの報道は間違いだ」と断言。「嶋大輔氏は自分で決意したのだ」と嶋自身の決断であることを強調し、一気に自民の擁立ムードがトーンダウンしたが、嶋については以前からキナ臭い話が浮上しており、それがネックとなりそうだという。

「2年ほど前に一部週刊誌で、最高年利12%という高配当をエサに投資家から飲食店に対する投資を募る、暴力団系ファンド詐欺疑惑会社の広告塔をしていることが報じられた。嶋の事務所は真っ向から否定したものの、投資対象店舗は店名や商品名に嶋の“ツッパリ”のキャラクターを最大限前面に出しており、まさに嶋抜きでは考えられないファンドだった。各政党もしっかり“身体検査”をしているのか、まだ出馬する政党が決定していないようで、大々的に会見を開くことにより、自分に声をかけてくれる政党を探しているのではといわれている。芸能界引退を発表したとなると、それなりの覚悟はできているのだろう」(永田町関係者)

 一方、佐竹はK-1の初期にアンディ・フグ、ピーター・アーツらと激闘を繰り広げ、その明るく親しみやすいキャラを生かしバラエティ番組にも頻繁に登場するなど、お茶の間での知名度もアップし、K-1の看板日本人選手として広告塔の役割も果たした。

 その後、PRIDEのリングに参戦。吉田秀、小川直也ら日本人ファイターとの対戦で話題を集め、プロレスのリングにも参戦したが、03年に京都市内に自身の道場を構え、07年には京都の企業・会社・医院などの経営者を対象とした人間活学塾を立ち上げ、人材育成・企業社員育成のほか講演活動も行っているが、こちらも嶋同様にキナ臭い話が浮上しているという。

「03年に著書『まっすぐに蹴る』(角川書店)を発売したが、K-1の創始者であり、師匠であった石井和義氏の“銭ゲバぶり”を書き連ねるなど暴露本的な内容だった。石井氏といえば、それなりのバックがついているので、よく佐竹はあんな本を出せたと思ったが、佐竹にもしっかりとバックがついていて、そのおかげで暴露本の出版や道場経営をできたようだ。そのバックとの関係はそう簡単に断ち切れるものではないので、出馬となれば問題視されそうだが……」(格闘技ライター)

 佐竹は、嶋が会見を行った翌日の26日に、東京・TDCホールで開催された「DEEP 62 IMPACT」のリング上に登場。「僕も夏にある戦いがあるかもしれません」と、参院選出馬を匂わせる発言をしてリングを降りたが、果たして、嶋と佐竹はそろって参院選に出馬することができるだろうか?