梅宮アンナの一言で解禁

 近年のパチンコ業界はエンターテイメント化が加速している。まるでデパートのように景品を揃え、カップル用のラブチェアーやお洒落なカフェスペースを用意し、郊外型店舗ではリラックスルームで漫画も読める。

もはやパチンコ店は家族やデート向けのアミューズメント施設に変貌しつつあるのだ。
 外出中にトイレ目当てだけに大手チェーンのパチンコ店に入る人も多いだろう。当然ウォシュレットは完備され、ホテル並みに清潔だからだ。タバコの匂いを消すエアシャワーにマウスウォッシュも備え、託児所設置の店すら今や珍しくない。不景気のせいで空いたテレビのCM枠も、ずいぶんパチンコ関連のスポンサーで占められるようになった。
 さらなる業界イメージアップのため、以前にも増して芸能人を営業に起用するようになってきている。

 パチンコ屋の営業と聞くと、落ちぶれた芸能人の行き着く先と思われがちだが、それがどうして、今では千昌夫や松本伊代ら名の知れた芸能人が多数登板している。
 2007年から全国のパチンコ店を回るイベントに出演している梅宮アンナが「ぶっちゃけギャラはいいですよ」と週刊誌に明かしたことで、それまで「禁断の営業」と呼ばれていたパチンコ営業が、オープンとなったという。
 今ではその父の梅宮辰夫も常連。彼や松方弘樹クラスになると、ギャラも1本200万円を下らないらしい。彼らをはじめ京本政樹らはパチンコ台のキャラクターにもなっており、当初は宣伝の意味合いもあったのだろうが、その後もすっかり味をしめた様子だ。松方は2011年4月に都内で行われた息子で俳優の仁科克基の結婚披露宴を欠席し、その代わりに東京・高島平のホールで営業していたという。

ギャラが抜群にいいパチンコ営業

 イベントの大まかな進行はこうだ。まず前座を兼ねた司会者(多くは物まね芸人)が場を盛り上げた後、ゲストが登壇。役者ならトーク、歌手ならば持ち歌を1、2曲披露し、来場者にあらかじめ配布されているクジによる抽選会やジャンケン大会などの後、握手会か記念撮影で終了となる。
 さらにタレントがパチンコ店内を軽く巡回することもあるが、それでも大体30分、長くても1時間だという。ちなみにタレント目当ての客で混雑するのを避けるため、客に開始時間は知らせないのが普通。実際にはパチンコをしない客が殺到しても店側も困るのである。


 リハーサルもなく1店舗30分で仮に100万円なら、これまでパチンコ店の営業に抵抗感を示していたタレントも飛びつくのは当たり前か。
 しかも、営業が決まるのは数ヶ月前。それに対し、テレビのバラエティ番組などは収録の数日前にオファーが来るから、ブレイク中のタレントはパチンコ営業の仕事は入れづらい。
 しかしテレビ番組の制作予算が削られた結果、高額のギャラが敬遠されて、テレビの仕事が来なくなった大物芸能人や、やはり峠を越えた元アイドルなどには格好の仕事だ。

>>>中編へつづく

(文・編集部)画像:Openclipartより

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