フジテレビが4月改編で、「日9」ドラマ枠を復活させることがわかった。
同局は2013年3月まで、『ドラマチック・サンデー』と称してドラマを放送していたが、視聴率低迷のため、バラエティー枠に変更した。
同枠で12年4月期にオンエアした『家族のうた』(オダギリジョー主演)は、第4話で3.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、全話平均で3.92%の大爆死。今世紀にプライム帯(午後7時~11時)で放送された民放の連続ドラマ(テレビ東京を除く)では、単話、平均とも史上最低視聴率を記録(後に『夫のカノジョ』=TBS=13年10月期=が更新)。これは、まさに“悪夢”ともいえた事態で、その後、同枠は廃止へと追いやられた。
しかし、その後のバラエティー番組も低調で、昨年10月期からは3時間の大型バラエティー番組『日曜ファミリア』(午後7時~9時54分)を放送していた。直近(2月7日)の同番組の視聴率は8.2%で、なかなか2ケタ台に乗ることはなかった。4月改編で同番組は2時間枠に短縮され、日曜午後9時からドラマ枠が3年ぶりに復活する。
同局は、まだ発表していないが、日本テレビとのドラマ対決で惨敗続きの「水10」枠を廃止する見込みであるため、プライム帯の連ドラ枠は3つで現状と変わりない。
「日9」は、日テレ系の『行列のできる法律相談所』が常時15%前後の高視聴率をマーク。TBS系も『日曜劇場』を放送し、前クールでは『下町ロケット』(平均18.5%)が大ヒットするなど、“激戦区”。その視聴率戦争に敗れたフジがドラマ枠を廃止した経緯があるだけに、今回の再チャレンジは、かなりの“冒険”となりそう。
そこで、フジでは4月期には強力なラインナップを用意した。民放連ドラ初主演となるシャーロット・ケイト・フォックスと芦田愛菜の“夢の共演”だ。
ドラマの舞台となるのは東京・下町の大家族・伴一家。母親が病気で他界し、父親が交際0日で、米国人女性アリス・シェパード(シャーロット)と再婚。4人きょうだいの2番目で長女の桜子(芦田)は、この結婚に反対し、鬼軍曹となってアリスとバトルを繰り広げる。
14年度後期のNHK連続ドラマ小説『マッサン』のヒロイン・エリー役でブレークしたシャーロットは、日米で上演のミュージカル『CHICAGO』で主演を務める大出世を果たした。
一方、芦田は11年4月期のフジ「日9」枠だった『マルモのおきて』(阿部サダヲとのW主演)がヒットしており、フジとしては「夢よもう一度」の思いが強いようだ。芦田の民放連ドラ主演は、問題作『明日、ママがいない』(14年1月期/日テレ系)以来となる。
再び、日テレ、TBSとの激しい視聴率戦争に参戦するフジに勝算はあるのか?
(文=森田英雄)