7月2日に放送されたリアル冒険バラエティ『陸海空 こんな時間に世界征服するなんて』(テレビ朝日系)の2時間スペシャルが、9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。この数字に業界が湧いた。
「国民的番組といえる、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)です。同番組は8週連続で視聴率20%超えを果たすのでは、と期待がかかっていたのですが、結果は18.2%。おそらく、『陸海空』が記録を止めたのでしょう。特にナスDの強烈なキャラクターは、イモトアヤコをも凌駕するインパクトでした」(芸能ライター)
もはや「ナスD」と聞いて知らない人はいるまい。芸人・U字工事の旅に同行するテレビ朝日のディレクターだ。
だが、このナスDがライバル視している番組は王者『イッテQ』ではなかった。
「友寄ディレクターは『よゐこの無人島0円生活』も担当しています。本体の『いきなり!黄金伝説。
結果、午後7時からの『ザ!鉄腕!DASH!!』は15.6%と、先週の16.3%よりわずか0.7ポイントとはいえ減っている。ナスDはその褐色の肌の下で喜んでいたに違いない。
だが、テレ朝としては今、うかうかしていられる状況ではないという。それはバラエティの絶不調だ。
「テレ朝社内では『日テレはいいよなあ、いろいろ回せる番組があって』というグチも聞こえています。数字を獲れるソフトが多いことに嫉妬しているのです」(同)
テレ朝は2013年の年間視聴率で2冠を達成し、その際は『もしものシミュレーションバラエティー お試しかっ!』『ロンドンハーツ』(現・『金曜ロンドンハーツ』)『アメトーーク!』といったような番組が原動力となった。しかし、現在はそれに代わるようなヒット番組に恵まれていない。
「『陸海空』は、今年4月にレギュラー化してから、わずか3カ月でゴールデンに進出しましたが、この速さは、深夜番組を昇格させることが多いテレ朝でも、あまり考えられないことです。つまり、それほどまでにソフトが枯渇している証拠でもあり、日曜夜を独占している日テレの牙城を早く崩したいという焦りなのでしょう」(同)
おそらく今後、テレ朝は時期を見て『陸海空』のスペシャルを再びゴールデンにしかけてくると思われる。放送内容はもちろん、そのときの視聴率争いにも注目だ。
(村上春虎)