もう何度目になるのか。またしてもフジテレビが炎上している。



『とんねるずのみなさんのおかげでした30周年記念SP』において、往年の名物キャラクター、石橋貴明扮する「保毛尾田保毛男(ほもおだほもお)」が30年ぶりに復活。同性愛者を揶揄するかのようなデフォルメされたキャラクターの登場に、抗議が殺到し、社長が謝罪する騒動が起きている。LGBTはじめ、マイノリティに対する人権意識が高まりつつある今日においては、許される表現ではないのは明らか。

「かつてフジテレビは、とんねるずの保毛尾田保毛男以外にも『ボキャブラ天国』ではゲイ関係の投稿ネタを多く流していました。さらに同番組に出演していたバレーボールの全日本代表で体育系大学出身の川合俊一が“それっぽい経歴と素行”ということでゲイ疑惑がイジられていましたね。男性同性愛者はバラエティ番組で一貫してネタにされてきたといえるでしょう」(業界関係者)

 1990年代には『進め! 電波少年』(日本テレビ系)においても、ゲイ雑誌編集部に突撃するなど配慮を欠いた演出が多く見られ、フジテレビだけでなくテレビ業界全体に問題があったともいえるだろう。
だが、フジテレビだけが往年の「面白ければ何でもアリ」のノリを引きずっているのではないか。

「打ち切り寸前といわれる『めちゃ×2イケてるッ!』では、2000年から01年にかけて放送されたコーナー『七人のしりとり侍』において、負けたメンバーが野武士に暴行される場面がいじめや暴力を助長するとの抗議を受けて打ち切りとなりました。放送が問題視されるようになると『皆もしりとりの練習のみ 乱暴な真似はしてはならない』といった注意喚起をうながしましたが、そもそもの企画意図に問題があったといえるでしょう。『めちゃイケ』では11年の『27時間テレビ』内でも、バスケット企画でナインティナイン岡村にボールをひたすらぶつける場面が問題視されました」(同)

 フジテレビは、今回謝罪を行った宮内正喜新社長によって「非常事態」が宣言されている。この危機を脱するための一手は、悪ノリを引きずったままの『みなおか』『めちゃイケ』両番組の打ち切りしかあるまい。
(文=平田宏利)