正確さは9割以上と言われている市販の妊娠検査薬。でも、あまりに妊娠早期だったり、間違った使い方をしたりすると、判定できない場合があります。
正確に使うためのコツをお伝えします。
妊娠をはやく知れば、はやく体調管理が
妊娠検査薬は、妊娠したかどうかを判断する目的で使用する試薬です。もし妊娠している場合、生理予定日頃は妊娠4週目。この頃から、胎児の脳や心臓などの重要な器官ができ始めます。この時期の母体は、外からの影響も受けやすくなっている繊細な時期です。妊娠の可能性を早く知ることで、食事の栄養バランスに気をつけるほか、薬の摂取に注意したり、飲酒や喫煙など、胎児に悪影響がでることを避けたりすることができます。


妊娠検査薬は薬局やドラッグストアで市販されています。価格は検査薬が2つ入ったもので1000円前後。手軽に購入することができます。

妊娠検査薬の、ほとんどがスティック状。尿の中にあるホルモンの有無で、妊娠しているかどうかを判断します。やり方は、スティックの先に尿を数秒かけるか、紙コップに採取した尿に数秒つけます。
その後、スティックを平らなところに起き、数分待つと、妊娠しているかどうかの結果がでます。

使用できるのは、生理予定日から1週間後。それ以前だと、正しく判断できない場合があります。また数年前に買ったものを使うと、試薬が正しく反応しないこともあるので、必ず新しいものを使うようにしましょう。
妊娠すると尿中にhCGというホルモンが分泌
受精卵が子宮に着床すると、黄体ホルモンの分泌を継続させるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌。これが尿の中にあるかで、妊娠の陽性、陰性がわかります。


このhCGは、受精卵が子宮内膜に着床してから体の中で作られはじめ、生理予定日(妊娠4週目)から尿の中に出てきます。さらに、このホルモンは妊娠2~3カ月くらいにかけて多く分泌され、出産するまで出続けます。妊娠していない場合、hCGは尿の中から検出されません。

人により、妊娠の初期の段階では、尿の中に十分な量のhCGがでてきていないため、陰性と出る場合があります。逆に、妊娠していなくても、不妊治療で、hCG製剤の投与を受けている人は、妊娠検査薬で陽性がでる場合があります。

そして陽性がでたとしても気をつけたいのは、あくまでも妊娠検査薬の判断は、「妊娠の反応あり」というのを示しているということ。
妊娠は産婦人科を受診して「超音波で、子宮の中に赤ちゃんの袋(胎嚢。たいのう)を確認し、心拍を確認した」ときです。超音波写真で胎嚢が確認できるのは妊娠4~5週、心拍は6週ごろに確認ができるそう。必ず妊娠検査薬だけで最終判断はせず、医師の判断も仰ぎましょう。
陽性でも注意したい妊娠とは
前述したように、市販の妊娠検査薬が陽性の場合、あくまでも「妊娠の反応あり」ということになります。残念ながら「正常な妊娠」とは限らないので、注意が必要です。
下記の疾患の場合でも、妊娠反応がでます。

・子宮外妊娠
受精卵が、子宮内膜ではない場所に着床している場合。卵巣に着床すれば卵巣妊娠、卵管で着床すれば卵管妊娠、筋肉に着床した場合は間質部妊娠と言います。早期に治療しないと、受精卵が成長し着床した組織が破裂。激痛とともに、大出血を起こし、命の危険もあります。

・胞状奇胎
胎盤を作る絨毛組織の一部がぶどうの粒のようになって増殖してしまう、異常妊娠。
胎児は育つことができないので、掻爬(そうは)して取り除く必要があります。これも、発見が遅れると大出血の可能性が。後遺症が残ってしまう場合もあります。

・流産
流産しているのに、子宮内に胎盤などが残っていて、陽性反応がでる場合があります。放置すると感染症や大量出血の原因になることも。

市販薬はあくまで妊娠の兆候を知る目安。妊娠が気になった場合は、すぐ産婦人科を受診しましょう。