単純に出ている数が多いから、というのもあるんですが、あずにゃんフィギュアやばいんですよ。
作っている人の愛情が半端じゃない。
何を言っているんだこのペロリスト(※あずにゃんをペロペロしたい人のこと)め! と思われるかもしれませんが、いやほんとまじ。
黒髪ツインテールの高校生、ですが、どう見ても他のキャラとの対比で幼く小さく見えてしまう。
そんな子がジャズやロックが好きでムスタングをかきならし、厳しい言葉を先輩にはきかけながら、実は誰よりも軽音部のみんなといる時間を楽しんでいる……なるほどこれは創作意欲湧きますね。
現在連載中のマンガでは下級生が入ってきたので先輩にらしくなりましたが、今までは下級生キャラとして活躍していたので、大きなお兄さんお姉さんからは妹のように愛でられるキャラでした。
というか先輩の平沢唯とのからみがキュートすぎて。本当に猫のような少女なんですよ。猫系少女オブジイヤーですよ。
今回紹介するマックスファクトリーの「1/7 中野梓」は、そんな猫っぽい梓の魅力を存分に溢れさせた一作。あずにゃんフィギュアはたくさんもっていますが、これはかなり異質中の異質です。
まず、立ってないのですよ。
最近は起立していないフィギュアもかなり増えましたが、やはり寝転がっているタイプのフィギュアはそんなに多くないです。
でもこれはまいったね。あずにゃんっていったら猫っぽさでしょう? 猫っぽいといったらやはり脱力でしょう。
普段は気を張っていることの多いあずにゃんさん、フィギュアにして飾る時くらいは力抜いて欲しいじゃないですか。
フォトジェニック的に可愛いポーズとっているのもいいんですが。
ぼくが! 家に! ほしいのは! 気を抜いてくつろいでいるあずにゃんなんだよ!
猫みたいに!
だからこそ、全力で「脱力」に力を注いだ造形には拍手喝采です。
脱力を造形で作るのって実は難しいんですよね。力んでいる時って筋肉に力が入る表現ができますが、脱力しているのを作るためには全身の筋肉のゆるみだけじゃなくて服装のゆるみや髪の毛の様子まで含めた空気感が大事になります。
特にあずにゃんのシンボルマークとも言える長いツインテール、これを「脱力」描写とするために、大きなビーズクッションを持ってきて下に垂れ下がるようにしたデザインは見事です。
垂れ下がる造形って視覚効果的に安心するんですよ。
でも、ただビーズクッションに体を預けているだけでは、グラビアアイドルっぽい。そうじゃないそうじゃない。
ここで、本物の猫(あずにゃん二号)を持ってきてネコじゃらしさせたのには感動しました。むせび泣きました。
「けいおん!」という作品自体不思議な魅力があります。「あずにゃんを嫁にしたい」という意見もありますが「あずにゃんをただ見ていたい」という発想の人もまた多いんです。あずにゃんだけを、あるいはあずにゃんと唯先輩が遊んでいるのをただ傍から見ていたい。自分不要、百合男子的発想。
このフィギュアはその精神性をうまく生かしましたね。こっちに向かって笑顔でウインクとかしてなくていいんですよ。箱庭にいる少女を眺められれば幸せなんですよ。よくわかっていらっしゃる。
特にそこに物語があるじゃなし。
あずにゃんの脱力造形はもとより、台座がちゃんと毛の長い絨毯になっているので、触り心地も抜群。
あずにゃん好きはもちろんとして、少女を眺めていたい願望の強い諸氏に絶賛おすすめしたいフィギュアです。
一点だけ。
スパッツは紺がよかったな!
でも縫い目が再現されていたのでOK!
(たまごまご)