朝ドラ「まれ」((NHK 月〜土 朝8時〜)7月29日(水)放送。第18週「親心ロールケーキ」第105話より。
脚本:篠崎絵里子(崎の大は立) 演出:村橋直樹
なして急にお義母さんが「まれ」105話
「連続テレビ小説 まれ Part2 」NHK出版 

再び能登編、
オープンニングは一般公募した2番の歌詞になり、
朝ドラてっぱん・嫁姑エピソードも用意され、
ラスト2ヶ月、気合いが入ります。
「不退転」の気持ちに違いありません。

今日のつっこ「まれ」


その「不退転」の文字を見ながら、布団を近づける圭太(山崎賢人/崎の大は立)。
新婚初夜?
緊張する初々しいふたりでしたが、「寝ながら笑うげ」という希の癖によってなんだかおもしろ方向へ。
なんだろ、このままごと夫婦。
希が都会で仮にも官能を学んだ女とは思えません。

今日のつっこ「まれ」2


おとぼけ希ちゃんをツッコムひとが現れました。
「だいたいあんた結婚ちゅうもんちゃどう思うとるげ」
「嫁としての責任ちゅうもんちゃどう思うとるが」
などと、こわい義母・直美(藤吉久美子)が睨みをきかせます。

お義母さん、「あとで聞かされたわたしの気持ちわかるかいね」とプリプリ。
その気持ちわかります〜。
「なして急にお母さんが」と希はぽかんとしていますが、いくら遠距離結婚とはいえ、こんなに義母と触れ合ってないなんてことはありえないでしょう。
「圭太ちゃん(猫なで声で)」と呼ぶくらいだから、圭太の結婚を放っておくわけないだろうし。あまりに御都合主義で、これはもう完全に、クイズバラエティー感覚で、このドラマの何がへんか考えてみよう! 的なコーナーなんだなと思いました。ちょっとうるさいドラマ好きは当然ながら、おじいちゃんもおばあちゃんもお子さんにも答えがすぐわかって楽しめるようにつくってあるんですね! 朝から家族が会話できるすてきなドラマです。


今日の、つっこ「まれ」3


「人間ときにはわがままになりきるちゅうがも必要やぞ
希はちょっこり優等生過ぎるがでねえけ」(文〈田中裕子〉)

いやいや、もはや希を優等生と思うひとはいないですよ。文さん、子供のときの希の記憶で止まってしまっているのではないでしょうか。もう希は子供のときの希ではなく、感覚だけで動いている自由人です、それに気づけない文さんの老いが心配になってきました・・・
と思いましたが、いや、待てよ、希ちゃんがひとの夢を優先するひとであることだけは子供のころからずっとブレてないんですよね。文さんはそれをちゃんとわかっている、やっぱり出来た人ですね。

今日の、メモ


キツそうな義母・直美役の藤吉久美子は、朝ドラOG。
82〜83年に放送された朝ドラ「よーいドン」のヒロインを演じています。このヒロインは、家が倒産したため夢だった陸上を断念し、芝居茶屋や駅弁屋の仕事を転々とする・・・という設定でした。

(木俣冬)

エキレビ!にて月~土まで好評連載中! 木俣冬の日刊「まれ」ビュー全話分はこちらから

いまひとつ視聴率が伸びないが、奮闘は讃えたい。NHK朝ドラ「まれ」おさらい(54話までを総括))