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戦車の疾走感、重量感、砲撃音に大興奮「劇場版ガールズ&パンツァー」

2015年11月25日 19時00分
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公式ウェブサイトからキャプチャ

人気アニメの劇場版『ガールズ&パンツァー 劇場版』について、ライター・編集者の飯田一史さんとSF・文芸評論家の藤田直哉さんが熱く語り合います。

藤田、またも萌えミリに警鐘を鳴らす!


飯田 ガルパン、めっちゃおもしろかった! 『マッドマックス』や『ワイルドスピード』と並べて語っているひとを見かけたけど、わかる! わかるよ! タンクアクションの傑作ですよ!

藤田 はい、どうも、右傾エンタメ批判でよく炎上する藤田です。笠井潔さんとの対談『文化亡国論』で、ぼくは「萌えミリ」に警鐘を鳴らしてるんですね!(宣伝)。そこで述べている危惧は、戦争のイメージが、「萌え」に上書きされて、軽いものと思われて、実際の痛みやえぐみを想像しにくくなるんじゃないかということです。今回も、自衛隊が協力しているんで、陰謀を感じ取っています!

飯田 そんなこと言ったら松本零士の戦場まんがシリーズのほうが問題だろ! 新谷かおるの『エリア88』や『ファントム無頼』を読んでたやつは戦争好きになってんのか! 『バルジ大作戦』とか実写の戦車映画だって観客のほとんどはポリティカルな要素とか「戦争とは」なんて重たいこと考えずに単なる娯楽として見ているわけですよ! とくにガルパンは政治や思想的な要素が皆無!w

藤田 辻田真佐憲さんが『たのしいプロパガンダ』で論じているのですが、現在のプロパガンダは洗練されていて、エンタメの形で来るから注意しないとね……というのは言っておきたい。エンタメは、政治とは無関係、というのは、根拠のない「思想」にすぎませんよ。ただし、エンタメを政治や倫理で切るだけというのも無粋なので、そこをうまく両立させて見ないといけませんね。
 さて、ツッコミからしていきますが(笑)、そもそも、女子のたしなみである「戦車道」というものがあり、女の子たちが部活で戦車で戦うわけですが、実弾使ってるじゃないですか。戦車に乗りながら顔を外に出してるし、「絶対死ぬじゃん」思うんですよ。その辺りが「フィクションだな」と思うんですが、今回は「枠物語」を使っているので、それが許容しやすかったですよ。
 つまり、クライマックスを、遊園地という「虚構性を強調した」場所に設定したのがよかったなと。
 元々、空母の中にある街という設定で、「フィクション」の要素を自己言及していましたが、今回、遊園地という場所を戦闘のクライマックスに使ったので、二重(アニメであることを含めると、三重)の虚構性みたいなのが生じて、荒唐無稽な展開への自覚性を感じられた。

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