脚本:渡辺千穂 演出:安達もじり

2017年1月以降に新たに参加するキャストが発表された「べっぴんさん」。
ベテラン江波杏子や、有望な若手の古川雄輝、林遣都、フレッシュな井頭愛海などが出演し、にぎやかになっていきそう。
57話はこんな話
言うことをちっとも聞かない息子・龍一(原知輝)の育て方に悩んでしまった良子(百田夏菜子)だったが、喜代(宮田圭子)のアドバイスで解決の糸口が見つかる。
「ええ悪いやなくて、ひとの何倍も手のかかる子はおるんです」「何倍も手をかけてあげたらえんです。まわりに何人も大人がおるでしょう。誰が親ややなくてみんなで育てるんです」
麻田(市村正親)に次ぐ賢者キャラ・喜代の言葉で、すみれたちはみんなで一丸となって龍一に目をかける。と、龍一はたちまち、ええ子になってしまった。
これまであまりええ見せ場がなかった君枝の義母・琴子(いしのようこ)が、アルマイトのお弁当箱を大量に調達してええとこを見せる。朝ドラのデフォ・問題勃発、翌日解決パターン(アルマイトにいたっては同日解決)が続くが、主題歌にある「優しすぎる嘘」みたいなもので、優しいフィクションのため、あまり気にならない。
心配させた龍一、17年1月12日放送回からは16歳に。公式サイトによると「流行やファッションに非常に敏感で、世間ではやっているものがあればすぐに飛びついて取り入れてしまう」ような男子に成長する。演じるのは、森永悠希。今年公開された映画「ちはやふる」で頭のいい眼鏡キャラ駒野勉を演じた俳優。なかなか巧い若手なので楽しみだ。
アルマイトに直筆イラスト
キアリスが大急の限定出店にあたり目玉商品を、イラスト付きアルマイトのお弁当箱を出すことにしたものの、小山(夙川アトム)の勇み足で、新聞広告に300個というものすごい数字で載ってしまい、慌てるすみれたち。
今日も、困った場面ではピアノ基調の劇伴が。時計の音といい、一定のリズムが流れたら、安達もじり演出(先日、永山絢斗がゲストの「あさイチ」にも出演されていました)とおぼえておきたい。
せっせとアルマイトのケースに絵の具で絵を描く君枝(土村芳)たち。SNS での話題はもっぱら洗ったら溶けないのか? ということ。印刷じゃないんかー! と確かにたまげた。現在はシルク印刷が主流で、ふつうの水彩絵の具では無理がある。例えば、アクリル絵の具は水性とはいえ乾くのが早い。Tシャツなどに絵を描くことができ、洗っても落ちない。代表的なリキテックス社のホームページを見ると、第二次世界大戦後、合成樹脂絵の具の開発が本格化され、日本で発売されたのは1968年とある。戦後すぐだと簡単に手に入りそうにない。いったい、すみれたちはどんな画材をつかったのだろう。
(木俣冬)