クールビズ「冷房28度」は科学的根拠なし 当時の担当課長が「なんとなく決めた」と発言し波紋
画像は環境省「クールビズ」特設サイトのスクリーンショット

2005年から始まったクールビズで推進している、「冷房時の室温を28度に」はすっかり世間に浸透している。しかし、5月11日に首相官邸で開かれた副大臣会議で、28度の根拠が不明瞭だったことがわかり、SNSなどネット上で波紋が広がっている。



冷房28度は「なんとなくで決めた」「科学的根拠なし」


読売新聞などによると、クールビズ開始当時の担当課長だった盛山正仁法務副大臣が同会議で「なんとなく28度でスタートして、科学的知見があったわけではないのに独り歩きしてしまった」と科学的検討を提言。萩生田光一官房副長官も「人によっては汗をかいて、洗濯物などが増える」と発言した。
これを受けて関芳弘環境副大臣は「(28度は)実はかなり不快な温度。無理があるのではないか」と検討する考えを示した。一方で、毎日新聞によれば「仕事場に応じて過ごしやすい温度を決めて欲しい」とも話したという。

これに対して様々な意見が噴出。「よく言ってくれました!」「発言を支持します」「自分も28度は不快でした!」と発言を誉める声があがったり、適当な設定だったことに対する「外回りのないデスクワークの官僚が決めればこうなるわ」「『何となく』でスタートするなよ! 影響力大きいんだからさ!」といった不満の声も。



男女間で繰り広げられる冷房の設定温度バトル


さらにこの発言によって、オフィスの設定温度に対する不満も続出。「職場のノースリーブのおばさんが寒いと言う。同時に外回りから帰って来たおじさんが、汗だくでうちわを凄い勢いでバタバタと」「ああ、女性と男性のバトルが始まる季節がやってきたか」という書き込みがされていた。
クールビズ「冷房28度」は科学的根拠なし 当時の担当課長が「なんとなく決めた」と発言し波紋
画像はイメージです。

エアコンの設定温度についての男女間での争いはもはや毎年の恒例行事。2015年の「R25」の記事によると、夏場のオフィスの温度について「どちらかといえば暑い」と回答したのは男性は77.5%、女性は51.0%。一方「どちらかといえば寒い」は男性22.5%、女性49.0%という結果に。
(20~30代の会社員・男女各200人に調査)

そして「『暑がり・寒がり』どちらに合わせるべき」という問いには、男性の55.0%が「暑がりに」、女性の54.0%が「寒がりに」と意見が別れた。

「暑がりに」派の主張は、寒い人は1枚羽織るなりして自分で調整できるが、暑いのは対処できないからというもの。「寒がりに」派の主張は、冷えは体調不良に繋がったり、冷房を強くするのはエコや温暖化の観点からよろしくないというものだった。

今回の「28度は不快、根拠がない」発言は暑がり派の大きな力となりそうだが、果たして今年もオフィスで設定温度を巡る戦いが勃発するのだろうか。