飲食業界ホワイト度ランキングが話題「トップでも有休消化率6割って地獄なのでは」
「Vorkers」公式サイト内「飲食業界『ホワイト度』ランキング」より。

就職・転職口コミサイト「Vorkers」で「飲食業界『ホワイト度』ランキング」が発表され、ネット上で大きな話題を呼んでいる。


飲食業界で一番「ホワイト」なのは?


様々な「ブラック企業」が問題視されるなか、特に飲食業界は過酷な労働環境が取り沙汰されることが多い。8月29日に公開された「飲食業界『ホワイト度』ランキング」では、「Vorkers」に投稿された待遇の満足度、残業時間、有休消化率をもとに100点満点で「ホワイト度」を評価。
上位25社のランキングを公表している。

調査の対象となるのは飲食・フードサービス会社の評価レポート3,200件の内、回答者が10人以上いた企業のデータ。集計期間は2015年1月~2017年7月で、月間残業時間(実数)と有休消化率(実数)のデータも収集している。

1位に輝いたのはレストラン「びっくりドンキー」を展開するアレフで、ホワイト度は73.28。待遇の満足度は3.40(最大5)、1カ月の平均残業時間は18.3時間、有休消化率は61.0%だった。

飲食業界の平均(待遇満足度2.7、平均残業48時間、有休消化率26.7%)と比較して、全ての項目が大幅に上回っており、特に有休消化率はランクインした企業の中で唯一の60%以上。
「近年は法令遵守に力を入れて整備をしている」「女性が働きやすい環境は整っている」といった社員のクチコミが紹介されている。

2位は「ホワイト度」63.58を獲得したスターバックス コーヒー ジャパンがランクイン。こちらは「待遇の満足度」2.76、「平均残業時間」29.4時間、「有休消化率」50.3%で、徹底した労働時間の管理が評価されている主な理由となっている。

また、日本レストランエンタプライズ(3位)、ジェイアール東海パッセンジャーズ(5位)、ジェイアール東日本フードビジネス(6位)とJR系列企業が多くランクイン。
そのほか4位に松屋フーズ、9位に日本マクドナルド、11位に鳥貴族といった有名企業が名前を連ねている。
飲食業界ホワイト度ランキングが話題「トップでも有休消化率6割って地獄なのでは」


“ホワイト”に疑問を呈す声も


アレフが1位を獲得したことに対して、ネット上では「『ホワイト度』ランキング1位であの安さ、おいしさは凄い!」「『びっくりドンキー』の安さから考えるとかなり頑張ってるんだろうな」と称賛の声が。


一方で、1位のアレフでも有休消化率が61.0%だったことから「トップでも有休消化率が6割っていう飲食業界は地獄なのでは」「 (ブラックの中の)ホワイト企業っていうんなら納得する」と本当にホワイトなのか疑問を呈す声もあがっている。

厚生労働省が2月に発表した「平成28年就労条件総合調査」によると、労働者全体の有休消化率は平均48.7%。中でも「宿泊業、飲食サービス業」は32.6%と平均を大きく下回る結果になっていた。ホワイト企業のランキングが注目されることで、業界全体の労働環境が改善していくことを期待したい。