転職市場が依然活況だ。よりよい条件の仕事を探して日々、さまざまな転職サイトを巡回している人もいるだろう。

そんな中、IT企業の「WEB企画」が運営する「転職サファリ」というサイトが注目を集めている。


同サイトは転職に関する知識やコラムを配信しているメディアだ。しかし他サイトと一線を画すのは "動物の擬人化キャラクター"を起用している点だろう。ネット上では「明らかに特定の層を刺しにきてる」「ケモナー大歓喜」という声多く寄せられている。


■動物モチーフの可愛いキャラクターがブラック企業の社畜として登場



サイトには漫画も掲載されている。主人公は、株式会社ブラッグズの営業マン・コロン太(イヌ)。

入社前からブラック企業だと分かっていたが、就職氷河期だったため仕方なく入社した。しかし残業は月200時間、日常的に罵声が聞こえる、熱が40度以上あっても休めないという。この環境に耐えきれず退社する人も多いが、コロン太は



「新入社員の頃は嫌で嫌でたまりませんでしたが、今は過密スケジュールやプレッシャーのため転職をしようだとか、そういう発想を考える気力もありません」


と疲弊している。ある日、上司のゴン課長(イノシシ)のミスを押し付けられ、土下座をさせられた。客先へ謝罪に向かうとき、車に轢かれそうになったところを転職コーディネーターのコーディ(パンダ)に助けられ、考えが変わり、転職を決意する。



「(あぁ僕は今の会社によって作られた、歪んだ価値観を正しいと信じ込んでしまっていた)」


他にも、正当な評価をされずキャリアアップに苦しむウサギーヌ(ウサギ)、出産し再就職を希望しているネミ(ネズミ)、セクハラ野郎のミネーヤ係長(サル)などが登場する。

可愛い絵柄にも関わらず、描かれているのはブラック企業で働く人たちの実態だ。


■同社代表「どんなレベルの使われ方するのか想像つかないゴクリ」


これらのコンセプトについてWEB企画の担当者は、「より多くの人に記事を読んでもらうには、独自の世界観で読者の心をつかむことが必要だと考えました」と述べた上で、



「また、転職に悩んでいるときには、精神的に暗くなりがちです。なるべく気楽に見ていただけるよう、かわいらしくて少し現実離れした世界を作り上げました」


と説明する。現実世界顔負けのキャラクター設定は、社内の担当者数名で意見を出し合って決めたという。



「『あるある』『これはひどい』などと、ご自分の会社と比べながら見ていただいても楽しいのではないでしょうか」(同担当者)


また同サイトについて「細部までこだわって作り上げたサイトです。社内からの評価はあまりなかったのですが、ツイッターからのアクセス数が増えており、大いに喜んでいるところです」といい、



「"ケモナー"の皆様、二次創作をされる皆様には、このキャラクターたちを活用することで当サイトも広めていただければ非常に嬉しいです。

今後、記事はもちろんイラストや漫画も追加していきますので、楽しみにしていてください」


と語った。同社代表の水野寛歩さんもツイッターで次のように投稿している。



「新しいサイト、まだ未完成だけど、ケモナーの人に反応してもらってる、薄い本に使われたいゴクリ」
「二次利用されても本家サイトに人がいけるようになっていれば多分気にしない。どんなレベルの使われ方するのか想像つかないゴクリ」


また同人誌などで二次創作する場合は「転職サファリ」のリンクを掲載すればOK。サイト上の画像も、ツイッターでなら転載可能だとしている。