ドイツの超有名なスポーツカーで間違いないとは思うのですが、目(ヘッドライト)の形が違うような……。このクルマの名前は?

オークション会場に集結した名車、高級車、希少車を一気に見る
ドイツのあのメーカーだけど車名が違う?

ドイツの超有名スポーツカーは、目の形がカエルっぽいといわれています。
このクルマは違いますが、同じメーカーではあるようです。

――正解は次のページで!


○問題をおさらい!

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○【答え】ポルシェ「928」(キュー・ニー・ハチ)

答えはポルシェの「928」(キュー・ニー・ハチ)です。

928はフロントエンジン・リアドライブ(FR)のポルシェです。ポルシェといえば「911」が代表的車種で、リアエンジン・リアドライブ(RR)のスポーツカーとして知られています。

起源は、ドイツの大衆車であるフォルクスワーゲン「タイプ1」(通称:ビートル)まで遡ります。理由は、そもそもポルシェというスポーツカーが誕生する1948年の「356」が、ビートルの構想や部品を活用したからです。356に次いで登場したのが911で、以後、今日に至るまでポルシェを象徴するスポーツカーであり続けています。

なぜRRなのか?

ドイツには、ポルシェが生まれる前から速度無制限の高速道路「アウトバーン」が整備されていました。超高速で走り続けるには、エンジンの動力を伝えるタイヤが路面を的確に捉えること、また空気抵抗が少ないことが必要です。

当時のタイヤはバイアス構造で、今日のラジアルタイヤに比べ路面を捉える力(グリップ力)が低く、エンジンの重さを利用してタイヤを路面に押し付けることが有効でした。また、空冷のエンジンを客室後ろに車載することで、ラジエターを不要にし、それによって客室前の車体前部を低く造形し空気抵抗を減らすことに役立ちます。それらの構想が、1950~60年代の自動車技術の最善と、ポルシェは考えたのでしょう。


では、928でFRに変更した狙いとは?

ひとつは、RRの911が誕生して10年以上が過ぎ、ポルシェが次の構想を模索したのかもしれません。「928」の2年前には、「924」という小型のFRを先に登場させています。もうひとつ、世界の自動車メーカーにとって、米国は販売増を狙える市場です。そこではFRが人気です。

米国スポーツカーの代表は、ゼネラルモーターズ(GM)のシボレー「コルベット」です。また乗用車を基にしたスポーツカーでは、フォード「マスタング」を筆頭に、シボレー「カマロ」、同じくGMのポンティアック「ファイアーバート」などが人気を呼びました。ちなみに、日本の「フェアレディZ」も米国では大人気です。

ポルシェ928のようなFRの高性能スポーツカーが、米国では存在感を示します。928はいかにもFRらしい「ロングノーズ・ショートデッキ」の姿です。客室の前が長く、客室の後ろが短い様子を表す言葉です。

928のエンジンはV型8気筒で、米国で最上級車かつ高性能を象徴する形式です。

928の個性のひとつが、ポップアップ式ヘッドライトです。
昼間は空を照らすかのようにヘッドライトが寝た様子ですが、点灯時にヘッドライトが持ち上がり、正面を向く仕組みです。

928は1977~95年まで販売されましたが、ポルシェは911を改良し続け、今日まで代表車種として優れた競争力を維持しています。

それでは、次回をお楽しみに!
○【フォトギャラリー】ポルシェ「928」

御堀直嗣 みほりなおつぐ 1955年東京都出身。玉川大学工学部機械工学科を卒業後、「FL500」「FJ1600」などのレース参戦を経て、モータージャーナリストに。自動車の技術面から社会との関わりまで、幅広く執筆している。著書に「スバル デザイン」「マツダスカイアクティブエンジンの開発」など。 この著者の記事一覧はこちら
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