Speeeの調査研究チーム「ヌリカエ総研」は、「外壁塗装の検討・依頼に関する消費者実態調査」についての結果を7月13日に発表した。調査は2026年7月に行われ、全国の30~60歳の既婚男女の持ち家(戸建て)で直近5年以内に外壁塗装(塗り替え・張り替え)を実施した407名を対象に行われた。


はじめに、外壁工事の見積もりを何社から取ったかを尋ねたところ、「取らなかった(口頭で依頼を決めた)」が28.3%、「1社から取った」が39.3%となり、複数社を比較した人は32.4%(2社16.5%+3社以上16.0%)にとどまった。

数十万円~100万円超の支出でありながら、多くの人が「最初に出会った1社の話」だけを根拠に契約している実態がうかがえる。

書面の見積もりを受け取った292名に、会社を選ぶ前の気持ちを尋ねたところ、「金額が適正かどうかわからなくて不安だった」が46.2%で最多。「提示された金額が高すぎる気がして不安だった」(18.2%)、「金額以外の点(会社の信頼性など)に不安があった」(11.6%)を合わせると、76.0%が何らかの不安を抱えたまま会社選びに臨んでいることが分かった。

見積もりを受け取った292名に、金額が適正かどうか自分で判断できたかを尋ねたところ、最も多かったのは「なんとなく判断できた」(49.0%)だった。「判断できた(事前に相場を知っていた、または比較できた)」(21.2%)と合わせると、70.2%は何らかの手応えを持って判断していた一方、「あまり判断できなかった」(24.0%)と「まったく判断できなかった」(5.5%)を合わせた29.5%は、判断材料を持たないまま契約に至っている。

「なんとなく」という回答が最多を占めた背景には、確固たる相場情報や比較先がない中でも、消費者が自分なりに納得しようと判断を下している姿勢がうかがえる。一方で、約3割は判断の手がかりそのものを持てておらず、"感覚に頼らざるを得ない"構造が残る結果となった。

依頼先を決める際に最も重視した要素は、「長期的な費用対効果の高さ(耐久性・塗料の質など)」(24.8%)、「会社の信頼性(実績・創業年数・資格など)」(24.6%)が上位を占めた。

消費者が求めているのは"安い会社"ではなく、"この内容ならこの金額に納得できる"という判断だが、費用対効果や信頼性は1社の話を聞くだけでは見極めが難しく、比較検討の不足がそのまま不安につながっている構図がうかがえる。

依頼先を決めたときの気持ちとして、「十分に比較検討して、納得して決めることができた」は22.1%にとどまった。

「もう少し時間をかけて検討したかった」(20.6%)、「十分に比較検討できず、決定に不安が残った」(10.1%)、「時間的な制約があり、比較検討ができなかった」(5.4%)を合わせると、36.1%が比較検討に課題を残したまま依頼先を決めていることが分かった。


事前に「特に何も調べなかった」人は17.9%(73名)。その理由の最多は「何を調べればいいかわからなかった」(34.3%)だった。

外壁塗装は経験機会が少なく(全国の戸建て保有者2000人に聞いたところ、実施経験者は全体の39.6%、直近5年以内では20.4%)、相場や工法の知識を持たないまま検討が始まる"初めての高額買い物"であることが、比較検討の少なさの背景にあると考えられる。

今回の調査では約7割が1社以下の見積もりで契約している実態が明らかになった。住宅ローンや物価高で家計負担が増すなか、価格だけでなく工事内容や保証期間、使用する塗料なども含めて複数社を比較することが、後悔しないリフォームにつながりそうだ。
編集部おすすめ