レビュー

私たちはなぜ、こんなにも忙しいのだろうか。ひとつ何かを片づけても、「終わった!」という爽快感を味わえるのはほんの一瞬。

すぐに次の「やること」が気になって、落ち着かなくなってしまう。
本書によると、その背景にあるのは「情報爆発」だ。2020年以降、世の中のデータ量は倍増し続けているという調査結果もある。脳の処理能力を超える情報が波のように押し寄せることで、「やってもやっても終わらない」という疲労感につながっているのだ。
そんな状況を解消するには、「やるべきこと」を減らす必要がある――それが本書の主張である。増え続ける情報や仕事を無差別に引き受けるのではなく、本当に取り組むべきことを見極め、それ以外は「やらない」と決めるのだ。
ただし「やらない」とは、すべてを放棄することではない。誰かに任せる、取り組む時期をずらすなど、タスクごとに整理していく。本書では、そのための具体的なノウハウがわかりやすく丁寧に紹介されている。
真面目な人ほど、「上司の依頼を断ってはいけない」「どんな小さな仕事も大切にすべきである」と考えがちだ。しかし、それでは遅かれ早かれ立ち行かなくなってしまう。まずは自分の心身の健康を守り、そのうえでスキルや能力を発揮して周囲に貢献する。
その方が、自分にとっても周囲にとっても良い結果につながるのではないだろうか。
一生懸命がんばっているのに、忙しさから解放されない。休日はゆっくりしたいのに、つい仕事のことを考えてしまう――。そんな悩みを抱える人に、ぜひ手に取ってほしい一冊だ。

本書の要点

・「仕事の未完了」がたまるとストレスや疲労を感じ、「優先順位がつけられなくなる」「自己効力感が下がる」「アンリソースフル」という状態に陥る。これを解消するには「やらないことを決める」ことだ。
・やらないことを決めると、本当に重要な仕事に集中でき、「快追求」の行動スイッチが入る。
・やらないことは、「そもそもやらない」「自分でやらない(人にお願いする)」「今はやらない(戦略的先延ばし)」の3つに仕分けする。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ