中国の電気自動車(EV)大手BYDは、インドネシア西ジャワ州スバン県に建設中の新工場に13億ドル(約2039億円)を投じる追加投資を正式発表した。現地メディア報道によれば、工場は敷地面積108ヘクタールを誇り、研究開発センターを併設。
完成車生産とバッテリー供給網の構築を同時に進める計画で、当初は2026年1月から年産15万台規模で量産開始を予定していたが、現在は試験運転段階にあり、正式稼働は2026年末から2027年初頭にずれ込む見通しとなっている。

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 インドネシアは年間自動車販売台数100万台超を誇る東南アジア最大の市場であり、生産台数139万台(2023年)でタイに次ぐ第2位の自動車生産国でもある。BYDは今年1月に「DOLPHIN」「SEAL」「ATTO 3」の3車種を投入し、50店舗規模の販売網を展開する計画を明らかにしていた。今回の追加投資は、車両生産に加えバッテリー供給網の現地構築を視野に入れ、東南アジア全体をEVハブとする戦略の一環とされる。

 インドネシア市場では長年トヨタやダイハツなど日本車が圧倒的シェアを維持してきたが、EV分野では投入が遅れている。BYDは低価格帯から中価格帯まで幅広い車種展開と、自社製バッテリーによる垂直統合体制を武器に、日本車の牙城を崩す構えを見せる。韓国・現代自動車と並び、先行する外資勢が市場構造を変える可能性が高まっている。

 新工場建設は数千人規模の雇用創出につながる見込みで、インドネシア政府も外資誘致の成功例として歓迎。産業省幹部は「BYDの投資はインドネシアをEV生産拠点へ押し上げる歴史的な一歩」と強調した。工場は2026年11月までに完成し、翌年から本格稼働する計画。稼働後はインドネシア国内市場への供給を優先し、その後タイやベトナムなど東南アジア域内への輸出拡大を視野に入れる。

 量産開始の遅れは日本車メーカーにとって一時的な猶予となるが、BYDの攻勢が本格化すれば市場構造に大きな変化をもたらす可能性がある。
インドネシアを拠点としたEV戦略は、東南アジア全域に波及し、日本車の優位性を揺るがす局面に入ったといえる。
【編集:af】
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