2026年7月8日、カンボジアの首都プノンペンにある国防省傘下の巨大病院が、国際的な違法臓器売買ネットワークによる腎臓移植手術の舞台となっていた疑いがあることが、現地主要メディアの報道で明らかになった。事件を巡り、インドネシア当局はすでに多数の容疑者を逮捕しており、その中には日本人関係者も含まれている。
国家安全保障や軍関係者の治療を担うべき公的医療機関が闇市場に組み込まれていた可能性は、国際社会に大きな衝撃を与えている。

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 カンボジア有力紙「プノンペン・ポスト(The Phnom Penh Post)」によれば、違法移植が行われていたのはプノンペン市内の国防省直轄総合病院である。同紙は、インドネシア警察国家捜査局がカンボジア当局と合同捜査を進めている状況を詳報。逮捕された密売グループの供述から、組織の全容が浮かび上がりつつある。グループはSNSなどを通じ、経済的困窮者に「高額報酬」を提示して腎臓提供者を募り、ドナーをインドネシアに集めた後、カンボジアへ渡航させて手術を受けさせていたという。捜査関係者は「少なくとも数十人の外国人がこの病院で不法な腎臓摘出・移植を受けた」と証言し、事件の規模を裏付けている。

 注目されるのは、日本人関与の実態だ。同紙によると、逮捕者の中にはドナーと移植希望者の間で資金管理や渡航手配を担った日本人男性が含まれている。この男は、日本やアジア各国の富裕層を対象に合法的な医療ツーリズムを装い顧客を開拓していた疑いがある。患者側は1回の手術に数万~十数万米ドルを支払い、その大半が密売グループや病院関係者、さらに仲介料として日本人らに分配されたとみられる。一方、ドナーに渡された報酬は約束額の一部に過ぎず、術後の医療フォローもなく強制帰国させられるなど、非人道的搾取の実態が浮き彫りとなった。

 カンボジアでは2016年に臓器売買を全面禁止する法律が制定され、違反者には厳罰が科される。
それにもかかわらず、国防省傘下病院で大規模な違法手術が行われた背景には、病院幹部や軍高官が巨額の賄賂を受け取り、組織的に不法行為を黙認、あるいは積極的に医療スタッフや施設を提供していた疑いがあると同紙は指摘。病院側は「正規の医療手続きに基づく手術のみを実施」と関与を否定しているが、捜査当局は医療記録や出入国データを押収し、有力者への追及を強めている。

 世界保健機関(WHO)など国際機関は、貧困層を標的とする臓器売買を「重大な人権侵害」として非難し、各国に規制徹底を求めてきた。しかし医療技術の進歩に伴い、渡航先で不法移植を受ける「移植ツーリズム」は地下化し、より巧妙化している。今回の事件は、一国の法秩序のみならず軍や医療機関の倫理観すら金で買収する国際犯罪組織の実態を示した。日本人が深く関与していた事実は、日本国内の移植医療の課題や海外での違法行為に対する罰則の在り方にも重い問いを突きつけている。国際的批判が高まる中、カンボジアとインドネシア両政府がどこまで真相を解明し、組織壊滅に至れるかに世界の注目が集まっている。
【編集:af】
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