2026年7月17日、カンボジアの首都プノンペンで、滞在資格を失った外国人が路上生活を余儀なくされる事態が深刻化している。現地メディア「キリポスト(Kiripost)」や「クメール・タイムズ(Khmer Times)」によれば、特殊詐欺に関与した疑いで閉鎖された施設から逃げ出した外国人らが、帰国に必要な書類や資金を持たないまま市内に取り残されている。
彼らは食料支援に頼りながら不安定な生活を続けている。

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 報道では、ロシア人を名乗る母親と3人の子供が住宅地で路上生活を送る姿が確認された。また、インドネシア人らが詐欺拠点から集団で逃亡し、大使館周辺や路上で帰国を待つ様子も伝えられている。多くは施設側にパスポートを取り上げられるなど搾取を受けており、身分証明書を欠いたまま法的保護や帰国手続きが遅れ、長期にわたり過酷な屋外生活を強いられている。

 背景には、カンボジア政府によるオンライン詐欺ネットワークへの大規模摘発がある。政府発表によれば、2026年上半期だけで45000人超の外国人が国外退去処分となり、そのうち16000人以上が詐欺関与の疑いを受けている。急速な摘発と施設閉鎖により、組織に囲い込まれていた数千人規模の外国人が支援を受けられぬまま街頭に放り出され、人道的空白が生じている。

 キリポストなどは行政対応の遅れを指摘する。パスポート再発行や帰国旅券取得には大使館との調整が不可欠だが、言語の壁や煩雑な官僚手続きが障害となり、手続き中も路上生活を余儀なくされる事例が相次ぐ。政府は治安回復と国際的評価の改善を優先し、退去措置に注力する一方、路上に留まる人々の保護は制度的に不十分なままである。

 社会福祉関係者は「急速な経済発展の陰で放置されてきた構造的歪み」と警鐘を鳴らす。高層ビルが立ち並ぶ都市へと変貌するプノンペンだが、詐欺拠点閉鎖に伴う社会的コストを誰が負担するのかという合意は形成されていない。
住民からは人道的懸念とともに治安悪化への不安も広がっている。

 摘発強化が全国規模で続けば、路上に取り残される外国人はさらに増える可能性が高い。大使館による領事支援の迅速化に加え、国際機関やNGOと当局の連携による安全かつ速やかな送還体制の構築が喫緊の課題となっている。プノンペンの街頭に立ち尽くす外国人の姿は、複雑化するアジアの越境犯罪と、その犠牲となる人々の現実を如実に示している。
【編集:af】
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