発展途上国の観光地で、外国人観光客を乗せたスピードボートの事故が相次いでいる。観光需要の急増に伴い、整備不良や過積載、急激な天候変化への対応不足が重なり、多数の死傷者を出す事態が続いている。
ベトナム南部フーコック島、インドネシア・トミニ湾、ベトナム北部ハロン湾で発生した最新の3件は、観光客の安全確保がいかに脆弱であるかを示す典型例となった。

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 2026年7月11日、ベトナム南部フーコック島沖でインド人観光客32人とベトナム人乗員4人を乗せたスピードボートが転覆し、15人が死亡した。CNBCTV18(シーエヌビーシーティービー18)は、船長グエン・ホン・ハイ(57)が拘束され、刑事捜査が開始されたと伝えた。事故はホンマイルット島からの帰路、岸からわずか400メートルの地点で発生し、強風と高波により船体が横転した。VN Express International(ブイエヌ・エクスプレス・インターナショナル)は、定員24人の船に36人が乗船していた過積載状態だったと報じている。ご遺体はホーチミン市からムンバイへ空輸され、インド国内の遺族に引き渡されたと伝えた。AP Newsは、救助隊が荒天の中でジェットスキーを使い生存者を岸へ運んだと報じている。

 2026年7月24日には、インドネシア・スラウェシ島沖のトミニ湾で外国人観光客11人と乗員2人を乗せたスピードボートが沈没した。ANTARA News(アンタラニュース)によれば、観光客と乗員1人は救命筏にしがみつき漂流後に救助されたが、船長アルディアンシャー(29)は依然行方不明だ。事故は波高2.5メートルの荒波により船体が二分され沈没したとされ、観光客は奇跡的に生還したが、船長は濃霧の中で船体に残ったまま消息を絶った。AP Newsは、捜索範囲が約300平方海里に及び、熱感知ドローンや潜水装備が投入されたと報じている。

 さらに2025年7月19日、ベトナム北部ハロン湾で観光船「Wonder Sea」が突然の雷雨により転覆し、Al Jazeera(アルジャジーラ)は37人が死亡、5人が行方不明と報じた。
乗客48人のうち20人以上が子どもであり、救助隊は夜を徹して捜索を続けた。ロイターは「わずか15秒で船が横転した」と生存者の証言を伝え、急激な天候変化が事故の直接原因であったと報じた。Vietnam News Agency(ベトナム・ニュース・エージェンシー)は、政府が原因調査と責任追及を指示したと伝えている。

 これら3件の事故に共通するのは、過積載、急激な天候変化、安全装備の不備、救助体制の遅れである。観光需要が急増する発展途上国では、船舶の整備や気象情報の確認が十分でないまま運航されるケースが多く、観光客の命を危険にさらしている。観光業の発展は地域経済にとって重要だが、国際的な信頼を維持するためには安全対策の強化が不可欠である。旅行者自身も定員超過の船を避け、必ず救命胴衣を着用するなどの自己防衛が求められる。

 発展途上国における観光用スピードボートは、自然条件と安全管理の不備が重なれば一瞬で悲劇を招く危険な乗り物であることが、最新の事例から明らかになった。観光業の拡大と安全対策の徹底は、今後の大きな課題だ。
【編集:af】
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