2026年7月31日午前5時(日本時間)現在、ホルムズ海峡でのタンカー拿捕事件を受け、原油市場は急騰し、ブレント原油が一時90ドルを突破した。サウジ主導の多国籍防衛構想が進展する一方、IEA月報は世界供給が戦前比9.4mb/d減と指摘。
中東の緊張がエネルギー市場全体を揺さぶっている。

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 アルジャジーラ(Al Jazeera)は、イラン革命防衛隊(IRGC)が7月29日未明、ホルムズ海峡を航行中の商業タンカー3隻を拿捕したと報じた。イラン国営通信IRNAも「不法航路を通過した船舶を停止させた」と伝え、海峡の一部封鎖を宣言した。米中央軍(CENTCOM)は「イランに航路を統制する権限はない」と反論し、米海軍が約1000隻の商業船を護衛していると発表した。ホルムズ海峡は世界の原油輸送量の約20%が通過する要衝であり、今回の拿捕により国際保険市場では戦争保険料が急騰。湾岸地域の輸送業者は航路変更を余儀なくされている。ブレント原油は一時90.39ドル、WTIは84.20ドルまで上昇し、エネルギー市場は緊迫した。

 ザ・ナショナル(The National, UAE)は「オマーンが提案した海峡共同管理構想をイランが拒否したことで、外交的出口が閉ざされた」と報じた。オマーン政府は地域安定化を目的に「マラッカ海峡型の共同監視体制」を提案していたが、テヘランは「主権侵害」として拒否。これにより、湾岸諸国の防衛協力が加速している。サウジアラビア国防省は「海上防衛構想」に14カ国が支持を表明したと発表。トルコ、パキスタン、エジプト、ヨルダンなどが参加を決定し、紅海・ペルシャ湾両海域での共同監視を開始する。
アル=アラビーヤ(Al Arabiya)は「サウジ主導の枠組みは、イランの海上影響力を抑止する初の多国籍防衛網となる」と伝えた。

 イラン側はこれに強く反発している。IRNAは「サウジが米国の指揮下でイランの海上権益を脅かしている」と報道。イラン外務省は「ホルムズ海峡はイランの安全保障圏であり、外国軍の介入は容認できない」と声明を出した。これに対し、サウジ紙アラブニュース(Arab News)は「イランの行動は国際法違反であり、民間輸送を人質に取るものだ」と批判。湾岸諸国の間で緊張が高まる中、国際原油市場は乱高下を続けている。

 エネルギー経済の視点では、IEA(国際エネルギー機関)の最新月報が注目される。ロンドンのエネルギー・モニター(Energy Monitor UK)は「世界の石油供給量は戦前比で9.4mb/d減少している」と報じた。ホルムズ海峡の通過量は徐々に回復しているものの、ロシア国内の製油所がウクライナ軍のドローン攻撃を受けて稼働停止となり、製品供給が逼迫している。IEAは「中東の輸送混乱とロシアの供給障害が同時に発生しており、世界的な燃料価格上昇は避けられない」と分析している。

 カタール紙ガルフタイムズ(Gulf Times)は「ホルムズ海峡の封鎖が長期化すれば、アジア市場への供給遅延が深刻化する」と警告。日本、韓国、中国など主要輸入国は代替ルートとして紅海経由の輸送を検討しているが、紅海でもフーシ派による攻撃が頻発しており、安全保障上のリスクは高い。
サウジ主導の防衛構想が実効性を持つかどうかが、今後の原油市場安定の鍵を握る。

 アルジャジーラは「ホルムズ海峡の緊張は単なる地域紛争ではなく、世界経済の心臓部を直撃している」と論評した。原油価格の急騰は輸送コストとインフレ圧力を高め、各国の経済政策にも影響を及ぼしている。国際社会は外交的解決を模索しているが、イランとサウジの対立構造が根深く、短期的な収束は見通せない。

【編集:af】
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