フィリピン南部ミンダナオ島西岸のダバオ・オクシデンタル州沖で、8月5日正午過ぎにマグニチュード7.1(後に6.4に修正)の強い地震が発生した。震源はサランガニ沖約258キロ、深さ10キロ。
津波の発生は確認されていないが、現地では強い揺れにより避難や授業停止が相次いだ。

その他の写真:注意喚起イメージ

 フィリピン火山地震研究所(Phivolcs)によると、地震はフィリピン時間午後12時13分に発生し、震源はダバオ・オクシデンタル州サランガニ沖の海底。震源の深さは10キロと浅く、「テクトニック(地殻変動)型」の地震だった。サランガニでは震度V(強い揺れ)が観測され、吊り下げ物が大きく揺れ、耐震性の低い建物では軽微な損傷の可能性があるとされた。

 マニラ・ブレティン(Manila Bulletin)とフィルスター(Philstar.com)は、地震直後に「津波の脅威はない」とPhivolcsが発表したことを報じた。Phivolcsは「現時点で破壊的な津波の危険は存在しない」との情報速報を出し、国民に冷静な対応を呼びかけた。

 一方、GMAニュース(GMA Network)は、地震発生直後にスルタン・クダラット州とジェネラル・サントス市で授業と業務が停止されたと伝えた。両自治体は「余震の可能性があるため、安全確認が完了するまで休校・休業措置を取る」と発表。学校や公共施設では構造点検が進められている。

 ABS-CBNニュース(ABS-CBN News)によれば、サランガニ島では政府補助金の配布中に地震が発生し、多くの住民が屋外へ避難した。現地救助隊員ハーリー・サウロ氏は「揺れは非常に強く、人々が叫びながら走り出した」と証言している。南コタバト州コロナダル市では市庁舎職員が避難し、学校では恐怖のあまり生徒が気を失う事例も報告された。


 今回の地震は、6月8日に同地域を襲ったマグニチュード7.8の大地震(死者76人、負傷者数百人)からわずか2か月後に発生した。前回の地震では道路や橋、学校が崩壊し、観光地グラン町では地滑りが発生して孤立集落が生まれた。今回の揺れはそれに比べ被害が軽微とみられるが、住民の心理的な不安は根強い。

 在ダバオ日本総領事館は同日午後、日本人向けにメールを発信し、「津波の発生情報は現時点でないが、現地機関の情報に注意し、身の安全を最優先に行動を」と呼びかけた。被害報告がある場合は速やかに総領事館へ連絡するよう求めている。

 フィリピン国家災害対策本部(NDRRMC)は「余震が予想される」と警告し、ダバオ・オクシデンタル州全域に警戒を促した。地震発生から数時間後も、サランガニ沿岸では小規模な揺れが断続的に観測されている。

 ミンダナオ島は太平洋の「リング・オブ・ファイア(火の輪)」上に位置し、地震活動が極めて活発な地域だ。専門家は「今回の地震はプレート境界の応力解放によるもので、今後も同規模の地震が起こる可能性がある」と指摘している。
【編集:Eula】
編集部おすすめ