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日本でも同様の動きが続いている。経済産業省によると、2024年の国内BtoC-EC市場規模は26.1兆円となり、前年比5.1%増加した。また、一般社団法人コンサートプロモーターズ協会(ACPC)の調査では、2025年のライブ市場は動員数5999万人(※2024年は動員数5938万人、年間売上額6121億円)となっている。EC市場とライブ市場の双方が成長を続ける中で、関連グッズを迅速かつ正確に届ける物流サービスの重要性は一段と高まっている。商品を予定どおりに届けることは、企業の販売活動だけでなく、利用者の満足度やブランドイメージにも影響を与える要素となっている。
こうした市場環境の中、エンターテインメント関連物流の分野で存在感を高めているのが株式会社拓洋だ。同社は1973年に設立され、物流事業を中心に、建設事業、移転事業の3つを柱として事業を展開してきた。倉庫業や運送業にとどまらず、不動産や建設分野も手掛けることで、物流施設の整備から保管、配送までを総合的に提案できる体制を構築している。公式情報でも、3事業を連携させながら顧客ごとの課題に応じた物流ソリューションを提供する方針を掲げている。
今回の取材では、株式会社拓洋の山口智之取締役が、近年の事業動向について説明した。それによると、近年はアーティスト関連グッズを扱う物流業務が大きく伸びており、営業所部門ではエンターテインメント関連案件が倍増以上の成長を見せているという。
山口取締役は、「突然1万件単位の発送依頼が発生することもある。そこへ対応できるかどうかが一番重要になる」と話す。エンタメ物流では、発送が1日遅れるだけでも利用者の満足度に影響を与える場合がある。ライブ会場で購入できなかった商品を心待ちにするファンや、イベント開催日に合わせて商品を受け取りたい利用者にとって、配送品質は商品そのものと同じくらい重要な価値を持つ。そのため、物流品質は企業やアーティストのブランド価値にも直結する要素になっているという。
こうした需要に対応するため、同社では物流現場の自動化を進める一方、人による柔軟な対応も重視している。自動化設備によって大量出荷への対応力を高めながら、人の判断が必要な工程では経験を持つスタッフが対応することで、効率性と品質の両立を目指している。物流量が急増する繁忙期でも安定した運用を維持できる体制づくりを進めているという。
また、株式会社拓洋の特徴は、商品を預かって発送するだけではなく、物流全体を設計する視点を持っていることにある。山口取締役は、アクリルスタンドやタオル、アパレル商品など、エンタメグッズには共通する特性が多いことから、商品の形状や大きさに応じて最適な梱包方法や配送方法を提案できると説明する。
さらに、商品の回転率に応じて保管場所を柔軟に使い分ける運用も行っている。すぐに発送される商品と、長期間保管する資材や在庫では求められる保管環境が異なるため、同じ条件の倉庫に保管する必要はないという考え方だ。商品の動きを分析しながら保管コストと配送効率の最適化を図ることで、顧客企業の物流コスト削減にもつなげている。
こうした取り組みを支えているのが、越谷第二営業所、拓洋習志野ロジスティクスセンター、東松山市新郷606倉庫、守谷市百合ヶ丘648倉庫などの物流拠点ネットワークである。複数の拠点を活用することで、商品の特性や配送先に応じた柔軟な物流設計を可能にし、多様化する顧客ニーズへの対応力を高めている。
山口取締役は取材の最後に、「エンタメ物流は需要の波が大きく、決して平準化しやすい仕事ではない。しかし、だからこそ対応できる体制を整えることが企業の強みになる」と語った。EC市場とライブ市場の成長が続く中で、物流には単に商品を保管して運ぶだけではない役割が求められている。需要の変動を見極め、商品特性や販売方法に合わせて最適な物流を設計することが、新たな競争力になりつつある。株式会社拓洋は、こうした「設計できる物流」を強みとして、エンターテインメント物流の分野でさらなる存在感を高めていきそうだ。
【編集:Y.U】








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