鳩は割と雑にどこにでも巣をつくり卵を産む。木の枝を数本重ね合わせただけの超簡素な巣も存在するため、地面にただ卵が転がっているようにしか見えないこともある。
職場近くにある立体駐車場に車を停めている女性は、隣り合う2か所の駐車スペースにボックスがおかれ、封鎖されていることに気が付いた。
張り紙を読んでみると、「ここに巣と卵があります」の文字。なんと駐車スペースのコンクリートの地面の上に鳩が枝を数本だけおいて巣をつくり、卵を産んでいたのだ。
それに気づいた住民たちが鳩の卵を守るため、このスペースを封鎖したのだ。
立体駐車場で封鎖されたスペースと手書きの張り紙
アメリカで、車通勤しているパトリシアという名の女性は、近くにある立体駐車場に車を停めている。
その駐車場は、近くの企業の従業員や買い物客、アパートの住人たちが利用する場所である。
先日、パトリシアさんは、駐車場が混んでいたため上の階に向かった。
空いているスペースを探して車を走らせていたところ、手書きの張り紙と、車を停めないように、中央にボックスがおかれた駐車スペースがあることに気が付いた。
好奇心をそそられたパトリシアさんは、車を降りて張り紙に書いてある内容を確認しにいった。
鳩がコンクリートの上に作った雑な巣と卵
駐車スペースに近づくと、1羽の鳩(ハト)が数本の小枝を地面に置いただけの、簡素な巣を作っていることが分かった。
鳩の巣作りは雑なことで知られている。不安定な場所に、お気持ち程度の小枝を散らばしただけの巣をつくるため、人間が心配になってしまうことも多い。
この鳩も、多くの車が行き交う、コンクリートの駐車スペースの真ん中に、巣を作って卵を産んでいたのだ。
見知らぬ誰かのやさしい配慮で卵が孵る
鳩が巣をつくったことに気が付いたこの駐車場を利用する誰かは、命を守る行動を行った。
このスペースに駐車しようとするドライバーに向けてその場所に「巣と卵」があることを、張り紙で表示し、駐車スペースの真ん中に、車が入らないようボックスを設置したのだ。
さらにその隣にある駐車スペースにもダンボール箱がおかれており、鳩の巣と卵があるから、「スピードを落として」と警告する看板が張られていた。
その努力が実ったようだ。
パトリシアさんが発見した時には、卵は孵化に成功した痕跡があり、殻だけが残されていたという。ヒナは無事巣立っていったとみられる。
鳩のために駐車スペース2台分を譲ったやさしい人たち
駐車場を利用する人にとって、空いているスペースは貴重だ。特に混んでいる時は、空きを探すのにも時間がかかってしまう。
にもかかわらず、ここでは鳩のために2台分の駐車スペースが封鎖され、誰も車を停めなかったことで鳩のヒナの命が救われたのだ。
パトリシアさんは、「最近ではなかなかお目にかかれない、人間らしさと思いやりを見ることができて感動した」と語っている。
だが安心するのはまだ早い。
ハトは以前子育てに成功した場所をしっかり覚えているため、再びその場所に戻ってくる習性がある。
繁殖の時期、再びこの駐車場が封鎖されることになるのかもしれない。
ちなみにうちのベランダの前の植木の開いた隙間に、毎年鳩が巣作りに来るんだけど、そのついでにベランダ柵にやってきて、猫たちをからかうというイベントも欠かさずやっている。











