イギリスの高速道路の工事現場で、小さな銅製の棒のようなものが掘り出された。よく見ると柄の部分が男性器の形を模しており、反対側の先端は2つに分かれている。
考古学者らによると、これは約1600年前ローマ帝国がイギリスを支配していた当時のもので、爪の隙間に入った汚れをかき出す爪そうじ具であるという。
ローマ時代、男性器を象徴する形は魔除け効果があると信じられていた。
持ち主は手のひらにおさまるこの道具で爪の汚れを落としながら、身を守るお守りとしても持ち歩いていたと考えられる。
高速道路の工事現場で見つかった息子スティック
イギリス南西部グロスターシャー州のチェルトナムの近くでは、現在高速道路のジャンクションを作りかえる工事が進められている。
イギリスでは大きな工事で地面を掘り返す前に考古学調査を行うことが求められている。
そこで、調査会社アーキオロジカル・リサーチ・サービシズ(Archaeological Research Services)の考古学者たちが発掘を行った。
すると、長さ7cmほどの、手のひらに小さな金属でできた棒状のものが出土した。柄の部分は、どう見ても男性器の形をしていた。
1600年前のローマ時代の爪そうじ具
同社の考古学者たちは、西暦300年から400年ごろに作られた銅製の爪そうじ具だと判断した。
爪の隙間に入り込んだ泥や垢をかき出すために使う道具である。
柄は男性器をかたどっていて、反対側は平たくのばされ、先端が二又に分かれた刃になっている。柄の近くには、ひもを通して吊るすための輪がついている。
ローマ人は毛抜きや耳かきといった小さな身のまわりの道具を使い、いくつかをひとつの輪にまとめて持ち歩く習慣を持っていた。
輪がついていることから、この爪そうじ具の持ち主も、ひもにぶら下げて日常的に使っていたと考えられる。
同じ形式の爪そうじ具はグロスターシャー州のほか、レスターシャー州やリンカンシャー州でも出土している。
アーキオロジカル・リサーチ・サービシズは、今回見つかったものがこれまでに知られている中でもっとも出来がよい例かもしれないと説明した。
古代ローマで男性器は悪いものを追い払う印だった
古代ローマの人々は、男性器の形は、邪悪なものや不運を追い払い、幸運を呼び込むラッキーアイテムと考えていた。
男性器をかたどった飾りは「ファルス」と呼ばれ、首から下げるペンダント、指輪、兵士の武具、家の壁の飾りにまで使われ、誰もがお守りとして身につけていた。
カラパイアでもこれまで、玄関に吊るして魔除けにしたファルスの形の風鈴や、イ
ギリスで見つかった銀製のファルス形ペンダント、ローマ人が身を守るために使ったお守りの歴史を紹介してきた。
西暦43年から5世紀の初めまで、イギリスの南部はローマ帝国の属州ブリタンニアとして支配されていた。
ローマの支配が終わりに近づく4世紀ごろ、チェルトナム近くの集落で暮らしていた誰かが、お守り効果のある爪そうじ具を携帯していたのだ。
他にもローマ時代の遺物を続々発見
発掘現場からは、息子スティック付き爪そうじ具のほかにも多くの品が見つかっている。
ローマ時代のものでは、銅合金で作られたベルトのバックルが出土した。
1枚の金属板をD字形の金具に巻きつけ、端をリベットで留めた作りで、身につけたときに金具が動くようになっている。
硬貨はさらに長い時間の幅を示している。
ローマに征服される前からこの地に住んでいたドブンニ族の銀貨には馬が描かれ、ローマ時代の青銅貨はアレクトゥスとコンスタンティヌス1世の時代に発行された。
中世のペニー貨、18世紀のイギリス海軍が支給したボタン、特定の家を表す動物が描かれた19世紀の制服のボタンも見つかっている。
考古学者たちは井戸や溝、柱穴、生活ごみの層も掘り出しており、この土地で人が長い期間にわたって暮らし、農業や手仕事を続けていたことがわかった。
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References: Excavations at the Gloucestershire M5 Junction 10 Improvements Scheme – Part 4 - Archaeological Research Services Ltd[https://archaeologicalresearchservices.com/excavations-at-the-gloucestershire-m5-junction-10-improvements-scheme-part-4/]











