移動手段を車に依存する県内では、交通渋滞が深刻な課題となっている。
 県内の渋滞による損失は2023年、年間約8144万時間、約1455億円に上るとの試算が出た。

 那覇市内の平日朝夕の平均旅行速度は全国ワーストの1時間当たり10・5キロで、全国平均のおよそ3分の1だ。
 通勤、通学に時間がかかり、物流コストの増大も招くなど、渋滞は県民生活と経済活動に多大な影響を及ぼしている。
 レンタカーも急激に増加している。25年度の入域観光客は過去最多の1093万人。主要観光地や市街地に集中するレンタカーは、地元住民の通勤・通学ルートと重複し、幹線道路の混雑に拍車をかけている。
 背景には、公共交通ネットワークの利便性の低さや、中南部への人口、経済活動の集中など、沖縄特有の課題がある。
 知事選で、主要2候補は交通政策についても重要施策として打ち出している。
 古謝玄太氏は、「道路と公共交通の整備を両輪で進める」と強調。道路網や自動車専用道の整備を着実に進め、モノレールの延伸、環状化を進めると訴える。
 玉城デニー氏は中高大学生や高齢者のバス、モノレール料金の支援のほか、「次世代交通ビジョン」を策定し、モノレール延伸やLRT導入を掲げる。
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 両氏ともに強調するのが南北縦断鉄軌道の導入だ。
 ただ、内閣府は採算性が低いとして事業化には消極的だ。
どのように実現につなげるのか。候補者には具体策を示してほしい。
 全国的に広がっている公共交通機関の利用が難しい「交通空白」地区は、県内でも大きな課題となっている。
 県内の交通空白地区は62カ所。最多は国頭村の20カ所で、西原町の6カ所、大宜味村と今帰仁村の4カ所と続く。
 車を持てない高齢者や低所得世帯の生活利便性が低下するだけでなく、教育、医療、福祉などへのアクセスを制限しかねない。
 子どもの送迎のために親が短時間勤務を余儀なくされるなど、交通空白は地域の経済成長を阻む「見えない壁」とも言われる。
 地域を活性化するためにも交通空白の解消は急がなければならない。
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 路線バスの減便や再編も課題だ。利用者の減少や深刻な運転手不足により、近年顕在化している。
 県内バス4社は、運転手不足の解消や路線バスの利便性向上と利用促進、路線バスネットワークの持続可能性の確保などを目指して「地域公共交通の利便増進に関する連携協定書」を締結した。
 バス網維持のため、4社での路線バスの共同運行などを想定した共同経営計画の作成に着手する。
4社は県にも支援を求めている。
 多様な移動手段の確保に向け、活発な議論を求めたい。
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