カップヌードルなのに、まさかの「熱湯禁止」??
日清食品株式会社は、「カップヌードル」初となる冷水専用商品「冷しカップヌードル ピリ辛キムチ味」と「冷しカップヌードル 鶏塩レモン味」を、7月20日に全国で発売しました。希望小売価格は各285円(税別)です。
開発期間は実に丸5年。冷水を注いで5分待つだけで麺がしっかり戻る特許技術を採用した、これまでの常識を覆す一杯です。猛暑が続く今の季節、本当にお湯なしで満足できる仕上がりになるのか。さっそく店頭で購入し、実際に確かめてみました。
■ 発売55年目でまさかの「熱湯禁止」 見た目は似ていても中身は別物
まずはパッケージからチェックしていきましょう。外観のサイズこそ従来のカップヌードルと同じですが、側面や天面にはこれでもかとデカデカと「冷し」「冷水専用」の文字が躍っています。
そして何より目を引くのが、天面中央に赤文字でプリントされた「熱湯禁止」の強烈な四文字。お湯を入れてはいけないカップヌードルという文字面だけで、なんだか脳内がバグりそうな感覚に陥ります。
さらに、手に持ったときにいつもと手触りが異なることに気が付きました。容器の裏面を確認してみると、お馴染みの紙製ではなく「プラ」マークの識別表示が。冷水での調理やひんやりとした質感をキープするためか、今作では専用のプラスチック製カップが採用されており、細部へのこだわりと新鮮さを感じさせてくれます。
■ ちゃんと辛い「ピリ辛キムチ味」 後を引く濃厚スープが賛否両論ありそう
それでは、まずは「ピリ辛キムチ味」から実食に移ります。フタを開けると、中にはおなじみの乾燥具材である謎肉(豚ミンチ加工品)をはじめ、大ぶりのキムチ、たまご、ネギ、ごまが確認できます。
ここへあらかじめ冷蔵庫でキンキンに冷やしておいた水を、内側の線まで注いでいきます。
フタをしてじっと待つこと5分。時間が経って開封してみると、驚いたことに見た目はしっかりと調理されたラーメンになっています。底の方に粉末スープや麺がややダマになっている箇所もありましたが、箸でしっかりと混ぜ合わせることで綺麗に解消されました。
勢いよくひと口すすってみると、冷たいスープであるにもかかわらず、キムチのキリッとした辛味と酸味がしっかりと感じられます。辛さレベルは「2」と表記されていますが、辛いものが苦手な方は少し注意が必要かもしれません。
特筆すべきは、特許技術で作られた専用麺の仕上がりです。冷水だけで戻したとは思えないほど、嫌な硬さや芯っぽさは一切なく、コシとつるみのある食感で問題なくツルツルといけます。謎肉の旨みもしっかり戻っており、キムチのジャキジャキとした小気味よい食感も健在です。
ただ、これが手放しで美味しいかと言われると、好みがハッキリ分かれそうな印象も抱きました。鶏の旨みを凝縮したスープがよくも悪くも濃厚で後を引くため、冷たい温度感との組み合わせに対して「冷たくあることの必然性」をどこまで心地よく捉えられるかによって、評価が二分されそうな味であると言えそうです。
■ 出汁とレモンが香るさっぱり系「鶏塩レモン味」 具材とスープの相性良し
続いて、もう一方の「鶏塩レモン味」を調理していきます。基本的な調理工程はキムチ味と同じです。
フタを開けると、こちらは乾燥した蒸し鶏(鶏ささみ)、たまご、ネギ、そして彩り鮮やかな赤ピーマンがたっぷり入っているのが確認できます。
こちらも冷水を注いで5分待ち、底からしっかりと混ぜ合わせれば完成です。
スープを一口飲むと、こちらは鶏をベースに鰹や煮干しといった和風の出汁の旨みが優しく広がり、そこにレモンの爽やかな香りが鼻を抜けていきます。キムチ味のような濃厚な後引き感がなく、非常にすっきりと洗練されたさっぱり系の味わいです。
具材の蒸し鶏も優しい味付けでパサつきがなく、ひんやりとした和風レモンスープとの相性もまずまず。個人的な好みの判定としては、暑い夏にさらさらとジャンクかつ上品に食べられるこちらの「鶏塩レモン味」に軍配が上がりました。
■ まだまだ模索中か 今後の展開に期待
お湯を一切準備することなく、冷水を入れるだけでこれだけのクオリティの冷やし麺が完成するという技術自体は、間違いなく革新的で素晴らしい試みです。
この「冷やしシリーズ」の場合の賞味期限は製造日から5か月で、一般的なカップヌードルの6か月と比べると1か月短めです。このため、今回購入した商品の賞味期限も購入時点から約4か月後となっていました。とはいえ、非常時に備えたローリングストック用としてはもちろん、暑くて火や電子レンジを使いたくない日の食事として、ある程度の期間保存できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
今回がブランド初の試みということもあり、味わいのバランスやスープの方向性については「まだまだ正解を模索している最中」のようにも感じられましたが、これがレギュラー商品として定着していくのか、はたまた今後どのようなフレーバーにラインナップが拡大していくのか、日清食品の次なる一手に期待が高まります。
(山口弘剛)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026072105.html
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