FIFA(国際サッカー連盟)は7月28日、ワールドカップ(W杯)など主要大会の商業事業を分社化し、新会社「FIFAフォワード・エンタープライズ(FFE)」の株式の一部を外部投資家に売却する構想を発表した。約200億ドル(約3兆1,600億円)の企業価値を前提に、最大42億ドル(約6,636億円)を調達する計画だったが、UEFA(欧州サッカー連盟)をはじめ各大陸連盟が一斉に反発。
3兆円構想の中身とクシュナー家の影
米メディアによると、FFE構想ではドナルド・トランプ米大統領の娘婿であるジャレッド・クシュナー氏の実弟、ジョシュア・クシュナー氏が設立した投資会社「Thrive Eternal」が主要投資家に位置づけられていた。FIFAはFFEを通じて放映権やスポンサーシップなどの商業的権利を一括管理し、得られた資金を加盟協会への助成金増額や新興国のインフラ整備、女子サッカーの発展に充てる方針を示していた。発表当初、インファンティーノ会長は「これまでもサッカーの人気の一部を驚くべき商業的価値へと転換させてきた。私たちはその成功を今後も継続させたい」と構想の意義を説明していた。
反発から4日、FIFAが下した決断
米メディア『CBS Sports』によると、UEFAは発表直後に「越えてはならない一線を越えた」と猛反発。7月30日には緊急理事会を開き、構想が撤回されない限り加盟国代表チームをFIFA主催大会に一切参加させないとする声明を発表した。米メディア『ESPN』によると、コンカカフとAFCもこれに同調して反対を表明し、FIFA上級顧問だったカルロス・コルデイロ氏も抗議の意を示して辞任した。孤立を深めたFIFAは7月31日、構想を撤回すると発表。米メディア『CNBC』によると、UEFAは8月1日、撤回後もインファンティーノ会長への「信頼を失った」との立場を示しており、両者の溝は解消されていない。

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