アジア最終予選から本格導入となった3バックで、左右中央を問わずプレー可能でタフネスを発揮し続けた渡辺の存在感は際立っていた。自身初のFIFAワールドカップでは、初戦のオランダ代表戦ではフル出場を果たし、第3節のスウェーデン代表戦では途中出場。相手の反撃を封じ、試合を締めくくる役割を担った。「理想のワールドカップではなかったですけど、オランダ戦に出て、次(チュニジア戦)はベンチで、スウェーデン戦は途中から出て、最後の試合(ブラジル戦)は出番なく終わってしまった。個人的には悔しさの残る大会でしたけど、自分が出た時のパフォーマンスとしては緊張感なくできましたし、自分自身まだまだやれると感じた大会なので、この悔しさをこの先につなげていきたい」と前を向いた。
自身のSNSには「サッカーを始めた頃からずっと夢見てきた舞台だったワールドカップ。諦めることなく目指し続け、たどり着いたこの舞台は、何にも代えられないほど素晴らしい経験になりました」と投稿。その裏には、ブラジル戦でピッチに立てなかった悔しさもあった。
「前回のアジアカップ、最後のイラン戦ですかね。ロングボールが来ていた時に出られなかった悔しさがあり、今回のブラジル戦で僕が出ていたら守れていたと僕自身は思いました。そこに成長があったのかどうか。
そして、SNSに投稿した渡辺らしい文章とともに添えたのが、試合後に上田綺世と抱き合う一枚の写真だった。フェイエノールト、そして日本代表でともに戦ってきた仲間だからこそ、その胸中を誰よりも理解していた。「フェイエノールトで成長している姿も見てきましたし、日本代表で結果を出さないといけないプレッシャーは間違いなくあったと思います。今のワントップはそんな簡単なものではないです。その重圧がある中でチュニジア戦で得点を取って嬉しかった。最後のブラジル戦でも彼自身は素晴らしいパフォーマンスをしていたと思いますが、勝てなかったという悔しさがあると思います」。続けて、「得点を取るのがFWと言ってしまえばそれまでですけど、本当にチームへの貢献度を考えたら、綺世がいない代表は考えられなかったと思うので、『まずはおつかれさま。やれることはやった』と伝えました」と明かした。
仲間の痛みを誰よりも理解し、自身も悔しさも真正面から受け止めた。世界最高峰の舞台で得た経験を糧に、渡辺はさらなる成長を目指す。
取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)

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