1年でのJ1復帰を目指し、長澤徹監督のもとでアグレッシブなフットボールを体現している湘南ベルマーレ。明治安田J2リーグ第4節は、開幕3連勝と波に乗るRB大宮アルディージャと敵地で対戦し、2度先行するも追いつかれてドロー決着となった。


「攻撃的なチームに対して、攻めに出ないと大変なことになる」と長澤監督。第3節終了時点でJ2最多タイの8得点を記録している大宮に対し、「直球ド真ん中(長澤監督)」で前線から激しいプレッシングを続けた。30分に相手陣内でのパスカットの流れから、山田寛人が決めて先制に成功。続く37分にも敵陣内の高い位置でボールを奪い、山田のラストパスから新加入の西野太陽が冷静にコースに流し込む。西野は湘南移籍後初ゴールとなった。

「開幕からチャンスはあったのですが、ゴール前で少し慌ててしまう部分もありました。前節の宮崎戦あたりからフィーリングやタッチの繊細さが戻ってきた感覚があったので、今日あたり決められるんじゃないかなと思っていました。決めることができて良かったです(西野)」

 自身の感覚通りのゴール。アウェイに詰めかけた約1,800人のファン・サポーターの前で喜びを分かち合うと、出番を待つベンチメンバーのもとへ駆け寄った。「めちゃくちゃ声がデカいので(笑)」と西野のゴールを誰よりも喜んでいたのが、同じ京都橘高出身“直系の先輩”GK永井建成だった。「高校の先輩の呼び出しには、しっかり行かないと」と逆サイドまで出向き、祝福を受けた。

 西野はプロ入りした徳島ヴォルティスでは、主にウイングバックやシャドーといったアタッカーポジションを担っていた。
明治安田Jリーグ百年構想リーグ期間は、栃木SCに期限付き移籍で加わり、FWとして11試合で6得点を記録。湘南では『4-4-2』布陣の最前線で攻守に奮闘を続けている。これまでは仕掛けることが求められるアタッカーだったが、今はゴールを奪うFWとして自らの価値を証明しようとしている。

「百年構想リーグからFWとして勝負していますけど、やっぱりそれを言ったからには絶対成功させなきゃいけない。もっと得点を取って自分の価値を証明していきたいと思っているので、そこはもっと続けていきたいなと思います(西野)」

 首位・大宮を相手に2点のリードを奪ったが、74分にPKで失点を喫すると、83分には途中出場の小野瀬康介が一発退場で数的不利の状況に。『4-4-1』のブロックを形成し、奮闘を続けたが後半アディショナルタイムに痛恨の失点。結果的に勝ち点1にとどまった。長澤監督は「もう一本、逃したことがツケになった」と振り返っていたが、西野にも悔しさが残った。「一発目のチャンスを決めていれば勝ってたので、そこにフォーカスして来週から練習やるだけ」と、初ゴールの喜びに浸ることなく、勝ち切るための課題に目を向けた。

「次は絶対にチームを勝たせるゴールを取って貢献したい(西野)」。湘南での初ゴールはあくまで通過点。本職FWとして勝負する西野は、さらなるゴール、そして勝利を見据えている。


取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)
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