第175回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の料亭・新喜楽で開かれ、直木賞に朝倉かすみさん(65)の「けんぐゎい」(光文社)が選ばれた。

 初の候補入りで話題を呼んだお笑いコンビオードリー」の若林正恭(47)の「青天(あおてん)」(文芸春秋)は選に漏れた。

 「青天」は若林による初めての小説。高校アメフト部を舞台にした青春小説で、2月20日の発売以来、累計発行部数28万部を突破するベストセラーとなっている。3月22日に都内で行われた同作のイベントでは、自身が高校アメフト部出身だったことを踏まえて「当時のアメフト部のチームメートのキャラを思い描きながら書いた」と裏話を明かしていた。

 芸能関係で直木賞受賞した例としては、作詞家のなかにし礼氏が1999年に受賞した「長崎ぶらぶら節」が有名。74年には放送作家・劇作家の藤本義一氏が「鬼の詩」、81年上半期に放送作家・マルチタレントで参院議員だった青島幸男氏が「人間万事塞翁が丙午」、同年下半期に劇作家のつかこうへい氏が「蒲田行進曲」で受賞した。

 直木賞候補作としては、SEKAI NO OWARI・Saori(藤崎彩織)の「ふたご」(17年)、NEWS・加藤シゲアキの「オルタネート」(20年)「なれのはて」(23年)などがあるが、いずれも受賞はならなかった。

 芥川賞の芸能関係者では、お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹が15年に「火花」で受賞。ほかに劇作家・唐十郎の「佐川君からの手紙」(82年)、ミュージシャン・辻仁成「海峡の光」(97年)、町田康「きれぎれ」(00年)らがいる。

 「けんぐゎい」は、江戸時代を舞台に、“醜い”と圏外においやられた女性たちが互いに寄り添うための“夢の国”を作り上げていく時代小説。

 朝倉さんは北海道小樽市生まれ。2003年に「コマドリさんのこと」で第37回北海道新聞文学賞、04年には「肝、焼ける」で第72回小説現代新人賞を受賞。05年に両作品を収録した「肝、焼ける」でデビュー。

「平場の月」が第161回直木賞候補作、「よむよむかたる」が第172回直木賞の候補作に選ばれており、今回で3度目のノミネートだった。

 ◆直木賞候補者(五十音順)

 ▽朝倉かすみ 「けんぐゎい」(光文社)

 ▽蝉谷めぐ実 「見えるか保己一」(KADOKAWA)

 ▽凪良ゆう 「多類婚姻譚」(講談社)

 ▽原田ひ香 「#台所のあるところ」(文藝春秋)

 ▽若林正恭 「青天(あおてん)」(文藝春秋)

 ◆直木賞選考委員(五十音順) 

 浅田次郎、角田光代、京極夏彦桐野夏生、辻村深月、林真理子、三浦しをん、宮部みゆき米澤穂信

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