日本サッカー協会(JFA)は24日、都内で記者会見し、来年1~2月のアジア杯(サウジアラビア)まで、異例の短期契約による続投が決まった森保一監督(57)、宮本恒靖会長(49)、山本昌邦技術委員長(68)が出席した。同会長が3月に森保監督に北中米W杯後の契約満了を通達しながら、5月になって来年2月までの延長を打診したことを明かした。
約1時間10分にわたった会見は、経緯説明に追われる宮本会長、山本技術委員長と、日本サッカーへの思いを前向きに語る森保監督の言葉が入り交じる、微妙な空気に包まれた。新たな船出のムードはなし。それほど説明に肉付けが必要な人事決定だった。
宮本会長は、森保監督続投の理由を「アジアで結果を出せる監督は誰か、という観点を重要視した」と説明。年内はU―21代表専念が決まっていた大岩監督が、A代表活動に参加できない事情もあり、異例の短期契約になったという。そして、日本人でつなぐ理由は「日本人にとどめない広い候補の中で動いてきた。ただ、新しい外国人監督が来てゼロからスタートするのか、今持っているものを生かすのか議論した結果、継承を優先すべきだと考えた」とも明かした。
宮本会長、助言者である元日本代表監督の西野朗氏、山本委員長で導き出した結論だった。FIFAランキングを上げ、30年W杯(モロッコ、ポルトガル、スペインの3か国共催)で組み合わせが優位となるポット1入りを目指すにはアジア杯で勝つことが確かに重要だ。ただ、森保監督はこれまで2度アジア杯を戦い、優勝していない。
外国人の監督候補については、かつて横浜Mを率いた元オーストラリア代表のポステゴグルー監督らとも接触したが、具体的な交渉には至らなかったもようだ。世界的な指導者は、年俸10億円は下らない。数億円規模で契約するJFAとしては高いハードルだが、各国が最優先ポジションとして資金を投入する姿勢とは、明らかに温度差がある。
理想で言えば、アジア杯優勝でトーナメントを勝ち抜く経験を積み上げ、同じ監督でW杯に向かうことがベスト。しかし国内には大岩監督以外に適任者がいなかった現実に加え、海外からも候補を推挙できなかったJFAのリサーチ力不足は否めない。
28年ロサンゼルス五輪を目指すU―23日本代表との兼任となる大岩監督は、アジア出場枠「2」を争う過酷な五輪予選、2030年W杯予選という、2つの険しい道のりを歩む。東京五輪代表を兼任した森保監督は予選が免除されていた。もし、五輪出場権を大岩監督が逃した場合は監督交代の議論に発展することは間違いなく、成長を続ける日本サッカー界が「継承」を選んだリスクは決して小さくない。(金川 誉)

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