◆第108回全国高校野球選手権大会第6日 ▽1回戦 明徳義塾1―2x日南学園(10日・甲子園

 迷いはなかった。1点を追う7回無死二塁。

日南学園(宮崎)の川崎祐翔(3年)が代走に起用された。鬼束湧羽(3年)が空振りでスリーバントを失敗すると、二、三塁の中間で足を止めた川崎は思い切って三塁を目指した。「1死二塁で終わるのと三塁で終わるのだったら流れも違いますし、捕手もすぐに投げる体勢で(二塁に)帰れないと思ったので」。ボールは捕手―遊撃手―三塁手と転送されたが、滑り込んでセーフに。その直後、鬼塚海月(2年)の中犠飛で生還した。「ちょっと暴走気味だったという反省もあるのですが、結果的に1点につながってよかったです」。この1点が9回のサヨナラ劇に結びついた。

 50メートルを6秒3で走るチームトップクラスの走力を誇る背番号12は、控え捕手でもあるが代走の切り札でもある。試合中もここぞの場面に備えて準備していた。「5回ぐらいからずっとヘルメットをかぶって捕手の道具を外し、いつでも行かせてくれというような雰囲気はありました」と金川豪一郎監督(49)。勝負どころで指揮官の期待に応える走塁を披露。「よく判断して三塁を陥れてくれたのは、かなり大きかった」とうなずいた。

 次戦も強豪校との対戦。勝負どころで出番はきっと巡ってくるはずだ。「アウトになることはまず考えずに。そうでないと足がすくんでスタートを切れないので、その前に腹をくくって先の塁に行けるようにします」と川崎。日南学園の足のスペシャリストは10年ぶりの2回戦突破をにらんでいる。

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