パ・リーグ 楽天7―2オリックス(12日・楽天モバイル最強パーク宮城)

 悪条件に負けなかった。集中力を切らさなかった前田健が節目に到達した。

味方が逆転した直後の7回。1死一塁から野口を二ゴロ併殺に仕留め、何度もほえた。4回途中に雨で33分の中断を挟んだ中で、7回7安打2失点。史上145人目となるNPB通算100勝目を挙げた。「ホームの皆さんの前で決めることができて嬉しい」。記念ボードを掲げ、顔をほころばせた。

 シビアな世界を戦い抜いてきた右腕の確固たる信念がある。「勝利」だ。その哲学を仲間に示した日がある。6月19日。吉井監督体制が始動した初の全体ミーティングでのことだった。吉井監督が「プロらしくやろう」と呼びかけ、「プロらしくとは」と問う。

ナインは「自覚」、「全力プレー」とそれぞれが口にした。どれもが正解であり、グラウンドに立つ者が持つべき意識だ。その上で指揮官が「俺はこう思うと絶対言いたい人、おらへん?」と、さらに踏み込んだ。「僕いいですか」。静寂を破ったのは前田健だった。

 「みなさんが言ったことは正しい、絶対ですけど、プロなので勝つことがいちばん大切だと思う」

 誰も口にしていなかった「勝つ」という二文字。「前に話した方から『勝つ』という言葉が出てなかったので、ここは言おう、と」。自ら手を挙げ、あえて言葉にした。

 ミーティングでの発言の真意について熱い口調で言う。「プロである以上、勝つためにやらないといけない。準備することも一生懸命戦うことも全部正解。でもそれは全部勝つためにやると僕は思ってる」。

ここまで「勝つこと」にこだわるから、これだけの白星を手にできた。

 ベテランの熱投でチームは連敗を2で止めた。吉井監督は「安定した投球を続けている」と称賛。日米通算168勝右腕が見据えるのは200勝だ。「積み上げられるように」。挑戦はまだ終わらない。(宮内 孝太)

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