浦和の曺貴裁監督が21日、町田戦(23日・MUFJ国立)に向けた会見を行った。開幕のG大阪戦では前半にMFサビオの退場で窮地に追い込まれ、一時は10人で逆転まで持ち込んだが3―4と敗戦。

2戦目は広島に力の差を見せつけられ、1―4と敗れた。2試合でリーグ最多の計8失点を喫し、19位に沈む中で迎えるのは、開幕2連勝の首位町田。2試合でリーグ最多9得点、Jリーグ屈指の強度とタレントを誇る相手に対し、立ち向かう心構えを説いた。

 「僕が強度や(球際の)戦いで負けちゃいけない、っていうのは精神論ではないです。(相手との)かみ合わせがどうあれ、予測して相手より先にボールを触る。ファウルなしで。それを避けて、そういう戦い(球際や強度)にならないようにしよう、という考えはひとつのやり方として尊重しますけど、僕は勝利を得るため、チームが良くなるために、それがベターだと思う方じゃない。球際で勝つ、相手より走る、声を出す、先に予測する、というのは全然精神論ではなく、それはサッカーの戦術論で一番大事な部分。それが精神論で語られているうちは、まだまだ選手の中に浸透していないし、そういうチームではいけない。自分たちが練度を高めた中で、選手が自然にこのタイミングではここを潰さなきゃいけない、と感じることは、周りの練度があって温度が上がるもの。ひとりが球際を勝とうと思うチームは、上にはいけない。そういう温度は、ここ何年か上位にいる広島さんや町田さんはもたれているし、そういうものでもひけを取らない、むしり上回るように自分たちのやり方でやっていかなきゃいけない」

 また球際の強い選手の定義も、質問に答える形で説明。

「例えば、佐野海舟は背は大きくはなくて屈強ではないけど、ボールの奪い合いやブンデスリーガでもかなり高いレベルにある。よくヨーロッパにいる選手が言っているけど、日本人は競り合いが弱いから、それを避けるために戦術をつくって(相手と)当たらないようにする、という考えの時代もちょっとあったと思いますけど、それだと向こう(欧州)でやるのは不可能だと。そう思っている選手がいる環境での球際は、相当レベルが高い。裏に出されたボールを体を入れてマイボールにするのか、それをスライディングで(タッチに)出してしまうのかでは、全然違う。この一個一個を、どれだけレベル高くやれるか。そこにはチームの戦術が大事。こういった時はこういう現状になりそうだから、それを予測して触れば、マイボールにできるとか。単純に強い、高い、大きいだけでそれが満たされるわけではない」

フィジカルの強さそのものが無関係ではないが、チームの狙いと個々の予測が噛み合うことで、初めて球際の戦いを優位に進めることができる。そこに必要なのは経験とチームの練度だ。新加入の元日本代表DF山根、MF瀬古の存在について、指揮官は次のように期待を寄せる。

「例えば球際の強さでいうと、精神論じゃなくこういう構造だから引き出されるんだよ、と体感的に知っている選手が入ってきてくれた。僕がやりたいことを、彼らの言葉で選手に伝える、もしくは彼らが見せるものによって、選手たちが自分たちの考えをより確信に変えられるようにしてもらいたい。

これからの浦和の挑戦に、間違いなく力を与えてくれる選手」

 まだ日本の暑熱への適応の問題もあり、町田戦でのふたりの起用は明言しなかった指揮官。しかし 苦しい序盤戦を打破するためには、指揮官のカラーがどこまでチームに浸透するかに加え、新戦力の融合も大きなポイントになりそうだ。(金川 誉)

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