俳優の松坂桃李が主演する2027年のNHK大河ドラマ「逆賊の幕臣」の追加キャストが28日に発表された。勝海舟の妻・たみ役に決まった女優の瀧内公美(たきうち・くみ)のほか、お笑いコンビ「ずん」飯尾和樹や、大河ドラマ初出演となるラップグループ「スチャダラパー」のメンバー・ANI(あに)など、多彩なジャンルから6人が決まった。

 今回発表されたのは、松坂演じる主人公・小栗忠順と、大沢たかお演じるライバル・勝海舟のそれぞれの家にゆかりのある人々。勝海舟の妻・たみ役は、「光る君へ」の源明子役でブレイクを果たした瀧内公美。たみは、江戸神田の商家の娘として生まれるが、深川で芸者をしていた頃に勝と出会って結婚。無役(むやく)で貧乏暮らしの勝を賢妻として支える。同じ帯を何年も使い、家屋の板を薪代わりに割って煮炊きするような暮らしにもめげないたくましい女性。

 出世後、男のみならず女にもモテた勝には愛人が大勢いたが、たみは江戸の屋敷で彼女らとともに暮らし、どの子供も分け隔てなく育てる。勝を慕う人々を大事にするたみは、勝家をおおらかに取り仕切るゴッドマザーのような存在になっていく…というキャラクターだ。瀧内は「海舟が抱き続けた信念を見守り、たみさんとして“凛と、たくましく"在り続けたいと思います。心を込めて演じますので、どうぞよろしくお願いいたします」とメッセージを寄せた。

 小栗家の養子・小栗忠道(悌次郎)役を演じるのは、齋藤潤。小栗の幼なじみである駒井朝温の次男として生まれる。やや思い込みの激しい一途な性格だが、責任感が強く真面目で…という役柄だ。

齋藤は「初めての大河ドラマ出演、とても緊張しております」とコメント。「知らないことばかり、見るもの聞くものが初めての幕府側の史実。激動の時代を、己の信念を貫き、信じて駆け抜けた若き幕臣。忠道の志の高さと熱量をお届けできること、光栄に思います。父である松坂桃李さんの背中を全力で追いかけてまいります。覚悟を持って挑みます。ぜひ見届けてください」と呼びかけた。

 上白石萌音が演じる小栗忠順の妻「みち」の父、建部政醇(まさあつ)に決まったのは、「ずん」飯尾。「おんな城主 直虎」以来2度目の大河出演で、飯尾は「大河ドラマに出演させていただくのは、2017年の作品『おんな城主 直虎』以来です。『以来』と言うほどの出演ではなく、全国を歩き回っている薬売り役で、茶屋で休憩しながら相方のやすと『あそこは戦が終わりそうだな』などと話しているのを、柴咲コウさんたちが情報として聞きに来ているという短いシーンでした。ですが、スタジオ内の街道沿い茶屋セットのリアリティと迫力に『屋外撮影みたいだ!』と興奮したのを覚えています」と当時を回顧。「そして今回、薬売りから出世しました!一万石の殿様、建部政醇さんです!どんな建築物に存在する人なのか楽しみです」とワクワクしていた。

 小栗の従者・荒川祐蔵役は、ダンス&ボーカルグループ「超特急」のメンバーで俳優としても台頭している草川拓弥。「天地人」「平清盛」以来、15年ぶり3度目の大河出演となる。「自分にとって15年ぶりの大河ドラマ、しかもここまで深く関わらせていただくのは初めてです。身の引き締まる思いですが、祐蔵のようにある意味自由に好奇心旺盛に幕末を生きたいと思います。視聴者の心に届くよう精進すっぺ」と気合。演じる役柄については「水戸あがりのやんちゃ坊主。殿の元で寄り添い、刺激を受け、そして己の心に常に自問自答しながら成長していきます。殿と最後まで共にしたその人情に心打たれました」と語った。

 小栗家家老格の武笠祐左衛門(むかさ・ゆうざえもん)役に決定したのは、ラップグループ「スチャダラパー」のANI。大河ドラマ初出演で「今までドラマにはチョイ役でしか出たことがなくて、ちゃんと名前がある役は初めてなのでちょっとドキドキしてます。ワクワクもしてるけど。そして小栗家のお屋敷がある駿河台は、親の勤めていた会社があったあたりで、子供の頃からよく行ったりしてた馴染みのある場所なので、なんか縁を勝手に感じたりしております。

あと、激動の時代の‘じゃない方’を描くというのも自分にあってるような気がしてます。よろしくお願いします」とコメント。ANIは、1990年にラップグループ「スチャダラパー」のメンバーとしてデビュー。1994年に小沢健二と共作した「今夜はブギー・バック」が話題となる。グループのMC活動のほか、デザインやDJとしての活動、写真を軸とした個展開催など幅広い活動を行っている。俳優として「水戸黄門スペシャル」(15年)、赤塚不二夫生誕80周年記念舞台「レッツラゴン」(15年)、映画「シン・ゴジラ」(16年)、「孤独のグルメ Season6」(17年)などに出演。NHKでは16年の「スニッファー嗅覚捜査官」に出演歴がある。

 上州権田村名主の佐藤藤七役は、ベテラン俳優の甲本雅裕。「どうする家康」以来5度目の大河出演で「大河ドラマには今まで何度か出演させていただいてますが農民の役は初めてで、何故か凄くテンション上がってます!」と心境を明かす。「50歳を過ぎて突然農民から武士に取り立てられ、刀を携えてアメリカに渡った藤七は、誇らしい気持ちだったのか、それともめんどくせぇなあと思っていたのか…そんな事を考えるだけでワクワクしてきます。大河ドラマは過去起きた事をもとに作られますが、これからの撮影期間の1日1日が新たな歴史になるよう日々新鮮に臨みたいと思います」とコメントした。

 制作統括の勝田夏子氏は「幕末ものということもあり、しばらく出演者発表が『男祭り』状態となっておりましたが、今回久々に女性キャラクターもお披露目できますこと、大変うれしく思っております。

勝の妻・たみは、近年、旬の映画に必ずご出演されていると言っても過言ではない実力派、瀧内公美さんです。また小栗家に養子に来て小栗夫妻の息子となる忠道には、ドラマに映画にひっぱりだこな十代演技派の旗手、齋藤潤さん。上白石萌音さん演じるみちの父・建部にはスペシャルゲスト、味のある演技に定評がある『ずん』の飯尾和樹さん。小栗の従者から側近となる祐蔵に、繊細な演技で俳優としてのご活躍も目覚ましい、超人気グループ『超特急』の草川拓弥さん。同じく音楽畑からは、ラップ界のレジェンド『スチャダラパー』の ANIさんが、まさかの小栗家家老格・武笠をリアルな存在感で演じて下さいます。そして、“朝ドラ”の父親役や数々の大河ドラマへのご出演をはじめ、圧倒的なお芝居で作品世界に引き込んで下さるベテラン、甲本雅裕さんが、小栗家と縁の深い農民・藤七を演じられます」と今回のキャストを紹介。「これまで以上にバラエティーに富んだ顔触れが加わり、ますますパワーアップしてお送りする『逆賊の幕臣』、どうぞ引き続きご期待ください」と呼びかけた。

 「逆賊の幕臣」は、幕臣側から幕末史を描くスリリングなエンターテインメント。松坂は、日本の近代化に尽くしながらも明治新政府から「逆賊」の汚名を着せられた悲劇の天才・小栗忠順を演じる。脚本は朝の連続テレビ小説「おかえりモネ」(21年)などの作品で知られる安達奈緒子氏。

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